5/ 13th, 2010 | Author: Ken |
あの娘はルイジアナママ
ジャズのルーツを訪ねたくてニューオリンズに行った。といえば聞こえはいいが、いや単なる観光気分さ。ハリケーン・カトリーナのずーっとずーっと前のことだ。N.Y.からのフライトで隣は典型的レッドネックのビジネスマンだ。やたらとジョークまじりで話しかけてくるんだが、こちとら英語は不調法なものでね。早速アイオープナーだといって、ブラディメアリーを奢ってくれる。で、こちらも奢り返す。差しつ差されつ何杯飲んだかね。でふらふらになって到着した。オッサンは「じゃまたな!シーユー・レター・アリゲーター」なんてセリフで去っていった。気のいい南部人だ。
ニューオリンズだ。冬だというのに蒸し暑い。「朝日のあたる家」がかってあったのだ。「欲望」という名の市電が走っているのだ。茶濁したミシシッピーにスチームボート、ジャズ発祥の地だ。何だかんだで老若男女の大観光地なんですね。生牡蠣、蟹、ロブスター、ポーボーイ、ジャンバラヤ…ケイジャン料理は美味しいし、街角にはギター弾きがブルーズを。ン、これがミシシッピー・デルタ・ブルーズか!少年のタップダンス、デキシーランドだね。
そりゃみんな浮かれますよ。夜ともなればフレンチ・クオーターへ。まあ、ストリップと観光ジャズ、土産物屋の大賑わい。うーん、こんなはずじゃなかった。ぼくは真面目にブルーズをトラディショナル・ジャズを聞きたかったのに…。まあ来た以上プレザベーション・ホールに行こ!ここは何と本当の土間なんだ。そこに座り込んで今夜は「スイート・エマ・バレット」。クリオールの女性で若い頃は可愛かったんだろーな。大婆さんだが膝に鈴をつけて弾き語り。ウーン、ビリー・ホリデイのルーツはここにあるか!ブルーズは泣き笑い。明るく楽しいのにブルーで悲しい。ジェリーロル・モートンを彷彿させる酒場のトラディショナル・ジャズだ。歴史だね。
彼女を聞けたのはラッキーだった。遠い昔のスイート・エマという「ルイジアナママ」に会ったのだ。
何と!You TubeにSweet Emmaがあるじゃないか!
http://www.youtube.com/watch?v=xhtG5YrQ-lY
http://www.youtube.com/watch?v=V41xvvRJk3o&a=roZdL9IrLEw&playnext_from=ML