11/ 8th, 2009 | Author: Ken |
イラストレーションに昂る。
イラストレーションが好きだ。学生時代、ベン・シャーンが好きでわざわざ竹ペンを削ってずいぶん真似したもんだ。ある日、Men’s Wear(ファッション誌というより業界誌だね)。そこで眼を見開いたよ。まさに瞠目というやつだ。1962年だった。
CHAMP HATという帽子の広告のイラストレーションが、何とまあ! 色彩、ダイナミズム、表現、テクニック、新鮮、驚きが迫ってきた。ボブ・ピーク氏だ。それからメンズウェアやエスクワイア誌を探した。PURITANのゴルフウェアの広告、夢中で集めた。…でも、当時洋書なんて売っていなかったしお金もなかった。僕は夢中で真似しましたね。それからメンズウェアの企画やグラフィック・デザイン、その他デザインの世界で、今まで行きて来た。少し恥ずかしいけれど、未だにボブ・ピーク・スタイルのイラストなんだ。(我ながら情けないね)
彼はそれから映画のポスターを描き始めた。「マイ・フェアレデイ」「キャメロット」「スタートレック」「スターウォーズ」どれもこれも素晴らしかった。
そしてスポーツ・イラストレーテッド誌ではウォルト・スピッツミラー、バーニー・ヒュークス、もちろん大御所のリロイ・ネイマンも忘れることができない。小松崎茂の戦争画、山川惣治の少年王者にも昂ったけれど、生頼範義の描く飛行機や軍艦の戦争画にはドラマ性と異様な迫力がある。その奥にあるドラマと緊迫感、悲劇性があるんだ。CG全盛の時代だがCGは何か薄っぺらいんだ。どうしても機械では手から伝わる思い入れや力が入らないんだね。描く人の想像力と筆力、感性、そして人間性。だってイラストレーションは人が見るものだから…。