1/ 16th, 2014 | Author: Ken |
君はこの衝撃に耐えられるか?
新年早々恐縮だが、さる知人から「5ページ以上読んではいけない!」という本を見せていただいた。その衝撃たるや!ディープ・インパクトだ!開いた瞬間、今は昔、薄暗いタイ料理の店でスープを啜っていると何やら浮かんでいる。具だと思い噛み締めた瞬間、声にならない悲鳴とともに口中に火炎迸り焦熱地獄もかくや?….おかげで後半の料理はパス、氷を頬張るしかない苦しみと、割り勘負けの悔しさの記憶が蘇った。(尾籠な話だが学生時代にスポーツ病に罹った。そうインキンですよ。チンキを塗ったら股間に燎原の火の如く炎が走りその熱さたるや!ひたすら団扇でパタパタ。覚えがあるでしょ、御同輩)。それ以来の仰天である。「と」もここまで来たか!
◎「ドラコニアンvsレプティリアン これが 〈 吸血と食人 〉 の超絶生態だ!」
高山長房・著:ヒカルランドこれ真面目なの?それとも面白がって?ゲーム攻略本?SF?、何となく「エイリアン対プレデター」という映画を思い出しますネ。….ところが真面目というか、思考がトンでるというか、小学低学年が書いたゲーム世界というか、要は地球は宇宙人に侵略されている。だから「地球人類救済」のために東奔西走(当本清掃?)しているんだと。お決まりの宇宙人陰謀論だ。ネットからパクった写真が満載で、何やらデータらしき図やら科学用語使い、歴史学、国際政治、軍事、進化、次元、もちろんオーパーツやら何でもありなのである。ところがこの著者、科学用語を全く理解できていないんじゃないんですか? 著者のプロフィールを見ると ●第59代宇多天皇家35代、高山右近大夫長房16世、その他、国際科学研究所顧問だとか並べた、中年太りのオジサンの写真がある。でも、5次元なんて言葉満載だけど、著者の次元は相当に?(失礼、低次元の話は止しませう)
◎「光の五次元にアセンション、2012年の奇跡」中丸薫・著:あ・うん
著者は国際政治評論家で「21世紀の偉大な思想家2000人」に選ばれたそうなあの端正な悪役で映画俳優の故中丸忠雄さん(電送人間やゴジラ、そして岡本喜八映画には欠かせない人だった)の奥方だそうだ。著者によれば「光」のエネルギーがアセンションへと導く….私が現在、さまざまなところから得ているインスピレーションや情報では、フォトン・ベルトの突入によって、地球は「光の五次元世界」にシフトするようです。……私たちの存在は、もともとすべてが「光」であり「電気的」なものです。ですから、ある波長に達すると光のエネルギーによって高次元に移るのです。これに備えて、私たちが準備しなければならないのは、「愛のエネルギー」です。無償の愛のエネルギーが「心の浄化」を進めて、アセンションに連動することができるようにしてくれるでしょう。そして、ある時間帯にそのアセンションに連動するように心の波動を合せればいいのです。….とある。
真面目に物理学を勉強してみませんか?できれば図書館に行って「宇宙」「物質」「量子力学」「統一理論」なんか、分かる分からないを別にして、20冊ぐらい読んでみませんか?現代最高の物理学者が数式もほとんど使わずに、ほんとうにわかりやすく解説してくれています。数百円も出せば「素粒子から宇宙」の本が手に入りますよ。この方、本当にジャーナリスト?この程度の知力で世界を歩いているの? それにしてはリテラシーがあまりにも…..もうお笑いツッコミだって疲れそうだ。
◎そして、あのエル…カンターレ、総裁様の本だ。もう、笑う気にもなれぬ。「と学会」も疲れるだろうな。
まあ、この方々は「波動」「次元」「光」なんかが好きですね。(哲学、宗教的意味でのアナロジーとしての物理用語を使うのであれば、まだ許される気もするのだが….)、どうもそうではない。何でも銀河系宇宙連合体のクエンティとかいう35000歳の地球を守る方とコンタクトしているそうな。そして陰謀論だ。ワンパターンですね。(昔VSOPが流行った。ヴェリースペシャル・ワンパターンだ。そんな詰まらないジョークを思い出さすなよ)。このような本が巷に溢れている。図書館にだって真面目な研究書や啓蒙書の隣に並んでいるのだ。そしてこれらの著者には有名国立大学の教授様まで書いているのだ。みんな老人になれば死期を考えてしまう。どこかに救いが欲しいのでしょうか?論理や正常識をそれこそワープして「と」になってしまうのだ。あるマジシャンが言っていた「科学者をダマすのは簡単です。だって彼等は奇術に無知だから」とね。知性や理性って何だろう?正常と異常、常識と非常識、信じている人にとってそれが「真実」なんだから。何を言っても、もう、笑うしかないか……。まあ、カウンターにもたれてのヨタ話、ホラ話、楽しいですね。
(注!)真面目な啓蒙書であるノーベル賞物理学者の「物質のすべては光」フランク・ウィルチェック著、 吉田三知世訳・ハヤカワ書房と本のタイトルが似ているからって、一緒にしないでね。一般読者向けの優しく書いた最先端物理学の解説書です。ヒッグス粒子も認められたことだし。宇宙のセンス・オブ・ワンダーを知ることは楽しいですね。