12/ 19th, 2009 | Author: Ken |
ハミングベース
このレコードには思い出がある。散々な旅行だった。目的地は厳冬のシェットランド。最初のつまずきはアンカレッジ、エンジン不調で2回も引き返した。おかげであの寒いアンカレッジの町が歩けた。スコットランドのアバディーンにやっと到着。シェットランド島を目指しただが悪天候で引き返す。翌日には飛べたのだが大雪の峠で車がエンコ。後のバスに避難した。夕闇が迫りバスの乗客とともに近所のお家に避難。ご迷惑をおかけした。まあ、取材も終わりロンドン、そしてパリ。NYに飛ぶためシャルルドゴール空港へ(あのコンコルドだよ。エヘん!)。またまたエンジン不調で引き返すハメとなったわけだ。航空会社が用意してくれたホテルのロビーでジャズを演っているじゃないか。ハミングが聞こえる…。メイジャー・ホリーだ。彼はベースのアルコ(弓弾き)でオクターブ上をユニゾンでハミングするんだ。スラム・スチュアートが始めたと聞くが、メイジャー・ホリーの力強いベースも格別だ。有名なのではコールマン・ホーキンズとの「ジェリコの戦い」が最高だろう。そのメジャー・ホリーが目の前でハミングしているのだ!彼のライブを聴くなんていまの今まで想像もしなかった。聞き惚れた。ジャケットも買った。当然としてサインももらった(エヘン)どう、羨ましいでしょう?ジャズは様々な楽器の可能性を引き出した。リズム、コード、即興演奏、自由で革新、クリエイティブなんだ。いつのまにか懐かしのメロディーになってしまったが…。ジャズがまだ熱い心を持っていた、そんな時代だった。