11/ 25th, 2010 | Author: Ken |
三つ数えろ
ハードボイルド。これは悪漢と戦う探偵話なんだが、一視点で客観的に描かれた硬質で乾いた文体のフィクションである。
1930年代の俗悪なパルプマガジンこそ彼らの活躍の場であった。いつか文学となり映画となりストイックでハードな男達になった。男の矜持を貫くタフガイのくせにハードの裏にセンチメンタルな哀愁さえ帯びた男だ。
これは映画におけるハンフリー・ボガートの力だ。シニカルなワイズクラック(警句、軽口)を口にし、ソフトにトレンチコートがお決まりのファッションになった。映画におけるヴィジュアルがスタイルを作ったのだ。世界で二番目の諮問探偵シャーロック・ホームズ(第一番は「モルグ街の殺人」ポーのC・オーギュスト・デュパン)だって、ストランドマガジンで挿絵のシドニー・パジェットが描いたからこそディアストーカーにインヴァネスコートのイメージが確立したのだ。あの不思議な形の鹿狩帽は「ボスコム谷の謎」で被っている。これがなきゃホームズにならないね。ジェレミー・ブレット主演の初期の作品なんて、そりゃイメージそのものでしたね。
こんな楽しいこと!そこでまたぼくの悪乗りというかオッチョコチョイが始まった。おいおいとハードボイルドで遊んでみたいと思います。一つ……人の世に、二つ…..二言三言とホラ話、三つ……見つける愉しみ数知れず。よろしく。