7/ 27th, 2012 | Author: Ken |
ブルーズの魂
♪ Oh Baby、don’t you want to go Oh Baby、don’t you want to go Back to the land of California Sweet home Chicago…..
よう、べぃびー、おめえ行きたかねーかい、あのカルフォルニアヘ、あんの古巣のシカゴへさ。♪
数あるブルース・ナンバーの中でも超有名「スウィート・ホーム・シカゴ/Sweet home Chicago」。1937年、あの伝説のブルースマン、ロバート・ジョンソンによって録音されたものが根源だ。そして1980年の映画「ブルース・ブラザーズ」で大ヒットした。ブルースまたはブルーズはアメリカ南部の土と汗と涙と哀しみ、人間の複雑なあらゆる感情が入り混ざり、そのジャンバラヤみたいなごった煮のなかから歌として産まれたものだ。田舎臭いのである、ムッとする口臭と腋臭が漂うのである。労働歌でありダサさの極みである。ブルージーである。アーシーである。ミシシッピーの湿気と泥水が母体である。黒人霊歌やハラーソングやワークソング(労働歌)であり、くぐもったダーティなはらわたの声である。そしてそして…..泣き笑いである。言葉でいくら語ろうが、そんなものは聞いてみれば分かることだ。ほら、いいでしょう? 独りでに首を振り足でリズムを取り体を揺すらすでしょう?
ロバート・ジョンソンには伝説がある。彼はクロスロードで悪魔に魂を売って「ブルーズ」を手に入れた….。27歳の若さであの世へ行ってしまったんだ。そういえばジミ・ヘンドリックスもジャニス・ジョプリンもその歳で逝った。余談だが東京の板橋区、成増から赤塚へ向かう道路に「六道の辻」というバス停がある。六道輪廻のあの六道だろう。ここにギターを持って立っていたら悪魔が来て取引を唆かさないものか?….まあ、この道を行くと名刹松月院や東京大仏は近いけれど….。
閑話休題、彼が生涯に残したレコーディングは、29曲(42テイク)だけである。写真も数枚しかない。でも写真を見るとダブルブレストのチョーク・ストライプにストライプタイ、ポケッチーフで決めている。当時のEsquier誌にあるような最高のお洒落姿である。だからだ、ロバート・ジョンソンは土着のブルーズを近代ブルーズにしたところが功績なのである。全米をギターで巡り、様々なスタイルと交わり、ラジオでSPレコードで、新しい時代のブルーズを、音楽を作り出したところを忘れてはいけないと思う。
そうだ!土臭い悲喜劇を作るコーエン兄弟の映画「オー・ブラザー」にロバート・ジョンソンのパロディ人物が出てくる。主人公たちは彼と交差点で出会い、そして…。
まあ、1920年代にスクラッパー・ブラックウェルやココモ・アーノルドがいたし、忘れてはならないのが偉大なベッシー・スミスだ。こんなことを書いているとモダン・ジャズにハマっていた60年代を思い出す。そうだ!ラングストン・ヒューズやジェームス・ボールドウィンの「もう一つの国」、リロイ・ジョーンズの「ブルースの魂」なんかを…..。まだガキだったけれどジャズ喫茶に入り浸りミンガスのBlues & Rootsの「水曜の夜の祈りの集い」なんかに興奮していた自分があった。
You Tube には Sweet home Chicago が数多くある。その中でも気に入ったもの?…ありすぎる!
●Robert Johnson : http://www.youtube.com/watch?v=O8hqGu-leFc ここから始まる。
●Blues Brothers : http://www.youtube.com/watch?v=Tlou_2lMLAc あれからもう30年以上も過ぎたのですね。楽しかった。
●The White House All Stars : http://www.youtube.com/watch?v=BIZAS_tOYOo&feature=related BBキング、ジェフ・ベック、
ミック・ジャガーに…大物たちうち揃いホワイトハウスで。オバマ大統領も歌うのだ!
●Ari Frello & Marcos Fernandez : http://www.youtube.com/watch?v=J_bdArwfmdw ブルースハープがいいね!
●たくさんあり過ぎるから片っ端から聴いてみて!!