12/ 27th, 2009 | Author: Ken |
マグリットに会いに行く。
姫路市立美術館、ここは素敵な美術展をするのでつい行ってしまう。お城の横の赤レンガの建物群は、かって陸軍の兵器庫・被服庫として建設されたもので、後に市役所として利用されていた。その姿が何とも美しい。なぜ素敵かというと「幻想美術」、特にルネ・マグリットやポールデルボー、レオン・スピルアールトなどベルギー・コレクションやユニークな企画を見せてくれるからだ。何年か前になるが「戦争と美術」というタイトルで日本画中心による戦争絵画展があった。何か日本画というと立体性に欠けた線描写で、デッサンもアンバランスな感を受けるが、なかなかどうして凄みさえ感じられた。なかでも横たわった兵士の顔が日の丸の旗で覆い隠されている絵なんかも、軍の要請で描かれたものの受取りを拒否されたという。その時代の空気を映しているというか絵画は結局、画家の真情なんですね。長野県上田にある「無言館」の戦没画学生のどの絵にも、決して巧みではないが溢れるような生の喜びや肉親への愛が感じられる…。
こんどジェームズ・アンソール展が開かれるそうだ。これも見逃すわけにはゆくまい。