12/ 19th, 2011 | Author: Ken |
オラトリオ、ヘンデル「メサイア」
クリスマスが間近である。全国津々浦々でべトーヴェンの第九合唱が行われていることだろう。そしてヘンデルの「メサイア」も…。
そんなことを思いながら本棚を整理していたらこんなプログラムが出て来た。カトリック玉造教会「大阪カテドラル聖マリア大聖堂」落成記念コンサートだ(1963年)だ。沿革によると1894年、この地に聖アグネス聖堂が建てられ、玉造教会が誕生。戦災によって焼失したが、その後、仮聖堂を経て、ザビエル来日400年記念の年に建設された聖フランシスコ・ザビエル聖堂に引き継がれ、「聖マリア大聖堂」へと生まれ変わった。大聖堂の西北には、細川越中守の屋敷跡と伝えられている「越中井」が残されており、細川ガラシア夫人を記念して辞世の句碑が建っている。「散りぬべき 時知りてこそ世の中の 花も花なれ人も人なれ」…..聖堂正面には「栄光の聖母マリア」と左右には「細川ガラシア夫人」「高山右近」が描かれている。日本画家堂本印象の筆によるものである。
大聖堂のパイプオルガンは、2400本ものパイプを有する本格的なものだ。
コンサートは本岡栄三郎によるブクステフーデやバッハがあり、第二部は朝比奈隆史指揮、大阪フィルハーモニック・オーケストラ、パイプオルガン、ジャン・メルオーでヘンデルのオラトリオ「メサイア」であった。日本で最初に公演されたのはいつか知らないが、おそらくパイプオルガンやフルオーケストラで全曲を演じたのはここが始めてではないだろうか。僕はまだ生意気少年でヘンデルやオラトリオなんてちっとも知らないくせに聞きにいったのだ(イヤなガキですね)。そしてあの有名な第二部の終曲「ハレルヤ」
Hallelujah! For the Lord God omnipotent reigneth Hallelujah! Hallelujah! Hallelujah! Hallelujah!
ハレルヤ!全能の神が君臨しますように、ハレルヤ!
これは1743年、国王ジョージ2世の前で「メサイア」が初めて演奏された。そのあまりの素晴らしさに感動したジョージ2世が立ち上がって拍手を送り、観衆もつられて立ち上がり拍手を送った….。それ以来ハレルヤコーラスになると全員が立ち上がりスタンディング・オベーションを贈るのが倣いになったという。…僕は先に解説本なんか読んでいたから恥ずかしいのを堪えて立ち上がった。
隣の方や多くの聴衆が、あれ?何で立つの?妙な雰囲気でしたね。
時は過ぎ、バロックの二大巨匠ヘンデルとバッハを聴き比べてみるのだが、ヘンデルは公開演奏会用だから派手で豪華絢爛の趣きが強いが、バッハは純粋な教会礼拝用だから内面的、哲学的である。….というか作曲者の性格も出るのだろう。ある意味では受難曲の方がドラマチックであるとも言えるが….。
そんな壮大な音楽もいいが個人の楽しみとして室内楽の方が親しみを持てる。ヘンデルのフルートソナタ11曲、いつか全曲を…と思っていたのだが半分位で挫折した(今でも気持ちだけはあるのだよ)。これを一曲づつおさらいしていくのは楽しみである。
特にⅣとⅪが好きですね。バッハのフルートソナタと比べると以外と吹きやすく楽しめるのです。