11/ 24th, 2009 | Author: Ken |
何でも十傑……時代劇。
1.「切腹」小林正樹。滝口康彦原作「異聞浪人記」より。原作を読み返し、映画はもう何回見ただろうか。凄絶、緊張、丁々発止の
やり取り、映像美、ダイナミズム、陽の移り、以外な展開。こんな素晴らしい重量級映画があるのだ。所詮武士道とは上辺だけを
飾るもの…。山本常朝や新渡戸稲造ならどう批評するのだろうか?
2.「七人の侍」黒澤明。映画史上、世界映画歴史の三本指でしょう。戦乱につぐ戦乱のタイトル…から「また負け戦だったな」まで、
息もつけない面白さ。「追い打ちをかけ、村の辻で挟み撃ちじゃ、勝負はこの一撃で決まる!」…この映画、疎かにには見んぞ。
3.「用心棒」黒澤明。馬の目の宿、野良犬が手首をくわえて…これだけで不気味さと期待と。「荒野の用心棒」「ラストマンスタン
ディング」と真似したくなるのも分かる。もとはハメットの「血の収穫」だというが、どうして。仲代のタータンのマフラー、
そして拳銃。ゾクゾクしてくる。
4.「隠し砦の三悪人」黒澤明。三船敏郎が馬上で刀を振りかざし追跡するシーン、映画館で観客が声にならないウォーという声をあ
げた。
5.「斬る」三隅研次。太陽のショット、刀身を流れる水滴、白い胸に流れる一筋の血「情けを知れ!」、この様式美、梅枝の三弦の
構え…。
6.「椿三十郎」黒澤明。仲代の室戸半兵衛。この凄み。最後の決闘で噴水のように迸る血潮。リメイク版は15分以上は耐えられなか
った。止せばいいのに。恥を曝しただけだ。
7.「大菩薩峠」岡本喜八。外国では「カルマ」。机竜之助の音無しの構え。三船敏郎の島田虎之介の豪剣。この殺人鬼は…。業か。
8.「柳生一族の陰謀」深作 欣二。おのおの方これは夢でござりまするぞ。夢じゃ、夢じゃ、夢でござりまするぞ〜っ!成田 三樹夫
の烏丸少将が怪演。ほんとうに面白い映画におじゃりまする。
9.「旗本退屈男」市川右太衛門の大きな顔。「この眉間に冴ゆる三日月形は天下御免の向こう傷、直参旗本早乙女主水之介、人呼ん
で旗本退屈男。ふぱっ!諸刃流青眼崩し破邪の一刀、一指し舞うて仕る。ぷはっ!」ド派手な着物を次から次へと、楽し過ぎる。
10.「座頭市物語」三隅研次。押さえた演出の中に座頭市の居合いが一閃、天地茂の平手神酒と市の心の会話。…大利根無情だね。
しまった!「忍びの者」を入れるのを忘れておった。…百地三太夫と藤林長門守とは…。「剣鬼」居合い術の斑平、御庭番を斬る。
番外.「ラストサムライ」何で西南戦争に忍者が出るんじゃ!「ショーグン」……。「ベルリン忠臣蔵」きわもの。一見の価値あり。
「レッドサン」三船、ブロンソン、ドロンが競演。なかなかのものでした。