3/ 22nd, 2016 | Author: Ken |

光と影のドラマ。

カラヴァッジョ

上野の「ミケランジェロ・メリージ・ダ・カラヴァッジョ」展に行って来た。もう時間の経つのを忘れた・・・。光と影、陰影と短縮法による立体視、広角レンズの無い時代に、あたかも映像のように人間の姿を描き、光と陰の明暗とドラマ性は、映画的手法とも言える。相当な男で殺人事件を起こし、逃亡したり、不品行の訴訟裁判記録も展示されている。その描く絵画と同じく激動の生涯を送った。
墓碑銘には「自然そのもの以外に比肩しうるもののいない画家ナポリからローマへと向かう途中のポルト・エルコレにて36年と6カ月12日の人生を生きて1610年8月15日に客死した」- 法学者マルツィオ・ミレージ　と。お目当ては「ナルキッソス」だ。初めて原画に接し、その驚嘆の腕を見た。そして「エマオの晩餐」（ミラノ）、前に別の「エマオの晩餐」（ロンドン）、これの方がドラマティックで驚愕した男の手が画面からはみ出しそうな瞬間だ。そしてカラヴァジズムという流れができ、彼らの作品群、大好きな光と影の画家ラ・トゥールもあったのだ。
素晴しい時間を過ごせた。カラヴァッジョ、本当に凄い。