2/ 16th, 2016 | Author: Ken |
切り裂きジャック。
さほどのミステリーファンじゃないが、ミステリーの大半は殺人事件だ。その中でも「切り裂きジャック」は未だに犯人探しが続いている。人間の最大のタブーを破るからこそ興味が湧くのだろうか?
●「イギリス流殺人事件の愉しみかた」◎ルーシー・ワースリー著/中島俊郎+玉井史絵・訳を読んでいると、あれッ?これ知ってる。 1888年ロンドンの切り裂きジャック(Jack the Ripper)、シャーロック・ホームズ、ジキル博士とハイド氏、猟奇的殺人事件や処刑、そしてドロシー・セイヤーズ、アガサ・クリスティと・・・ヴィクトリア朝事件を中心の雑学大全である。面白いの何の!(東京行きに携帯してこの分厚い本が静岡の辺で読了した。それくらい!)まあ、130年も前の事件だから無理もないが・・・この間もDNA鑑定でこれが犯人だ!というニュースがあった。 同著者による前作「暮らしのイギリス史」も異色の文化史だ。尾籠な話だがロンドンでも屎尿を郊外の野菜畑に撒いていたんだって・・・江戸と同じだ。と、本棚をかき回したら。他にももっとあったはずなんだが・・・。
●「JACK THE RIPPER」コリン・ウィルソンはリッパロロジストとという言葉の名付け親だ。まあ、その集大成がこの本だ。
何と!BBCが1965年にシャーロック・ホームズこそ犯人だ。という番組を作ったんだって。見てみたいものだ。
●「現代殺人百科」コリン・ウィルソン。殺人者達の羅列。
●「切り裂きジャック」日本のリッパロロジスト第一人者が仁加克雄だ。
●「真相」パトリシア・コーンウェルのは最初から犯人を挙げて追求するのだが、検屍官ケイ・スカーペッタのように鋭い推理が無い。この本のために7億円もの私財を資料購入や調査に使ったというが。手紙にしても犯人の挑戦状か劇場型の野次馬かは判断できていない。
●「ZODIAC」1969年サンフランシスコを中心に起こった未解決事件。犯人が新聞社に暗号手紙や証拠物件を送りつけ挑戦する。それをクロニクルのカトゥーン(一コマ漫画)作家が追求する。ダーティー・ハリーはこの事件を下敷きにしている。また本に忠実なドキュメントタッチの映画もあった。
●「診断名サイコパス」サイコパスとは「共感や恐怖を含む感情をまったく経験できない人間である」。良心、自制心、他者との紐帯を作る能力がない。知能が高く、警察に挑戦状や手紙を送りつける例が多い。日本でも「宮崎・幼女誘拐殺人事件」や「酒鬼薔薇聖斗事件」などが典型である。トマス・ハリス原作の「羊たちの沈黙」はハンニバル・レクターや犯人を実在のサイコパスをモデルにしている。
実際のサイコパス事件は耳目を集めるが、戦争という「巨大な人殺し」に人々は殆ど無関心だ。
チャップリンの「殺人狂時代」では「一人の殺害は犯罪者を生み、百万の殺害は英雄を生む」。奴隷廃止論者、ベイルビー・ポーテューズは「人を一人殺せば人殺しであるが、数千人殺せば英雄である」と。アイヒマンは「百人の死は悲劇だが百万人の死は統計だ」と。スターリンも同じ事を言っています。いままた、日本でも「戦争が出来る法案」など・・・。このいま、世界では容赦のない殺人が日々行われているのに。・・・人間とはナンなんだろう。