12/ 25th, 2009 | Author: Ken |
地獄の釜開き
うろ憶えだがたしか…さあさあ地獄の釜開き、そこからは白い馬、赤い馬、黒い馬、青ざめた馬が飛び出すであらう…。
とはマニエリスム美術を論じたグフタス・ルネ・ホッケ「迷宮としての世界」に捧げた三島由紀夫の言葉である。その本の表紙にはモンス・デジデリオの宮殿が飾られていた。残骸と悪夢のような描写は「死を想え(メメント・モリ)」か。ペストの惨禍、近代に変わりつつある時代の不安か。
Dies irae, dies illa, Solvet saeclum in favilla 彼の日こそ怒りの日なり、 世界を灰に帰せしめん。
ディエス イッレ ディエス イッラ その日は怒りの日。—–この絵はヒエロニムス・ボス、ブリューゲルの「死の勝利」に繋がるのではないか。恐ろしいが魅惑的である。