7/ 17th, 2010 | Author: Ken |
すべては太陽のせいだ!
梅雨が開けた。太陽の季節である。太陽がいっぱい、こんなに暑いのも、やる気が起らないのも、すべては太陽のせいだ!
強烈なコントラストに目眩がしそうだ。別に山や海に行きたい訳ではなし、休暇を取りたいとも旅行に行きたいとも思わない。無感動人間になってしまったのだろうか。
…..子どもの頃は違った。夏休みを待ちかね日がな遊びに没頭した。一日が、、一週間が一ヶ月が、恐ろしく短かった。そして生意気な高校生の頃だ。その時代の流行というのだろうか、ブームだったのだろう。
強烈に鮮烈にアルベール・カミュが「異邦人」で現れた。「今朝ママンが死んだ。昨日かも知れない…」。不条理という言葉を知った。「ペスト」「シジフォスの神話」「太陽の讃歌」「反抗的人間」等々、いま思い出すと恥ずかしいのだが、分かりもしないくせに分かったような顔をして浸りこんだ。
…人にはそれぞれ運命があるにしても人間を越えた運命はない。…..人間は日々の主人は自分であると知っている。この行為の連続を凝視し、彼の運命は彼によって創り出されるのだ。……頂上にむかう闘争、そのものが人間の心を満たすのだ。幸福なシジフォスを思い描かねばならない。「すべてよし」と。
…でも、人生は不条理だ!と言われても何が不条理か高校生の頭には理解できなかった。そして西欧人の抱く「神」の概念、文化、絶対性。そんなものは日本人には根本として希薄だから理解が違うのだ。….久々に読み直してみようと思う。
…そしてルキノ・ヴィスコンティの映画「異邦人」1968が来た。マストロヤンニとアンナ・カリーナだった。また60年代にはアルジェ独立を舞台とする映画の秀作があった。アルジェなんて古くはデュヴィヴィエ「望郷」のペペルモコくらいしか知らなかったけれど。
「アルジェの戦い」監督:シロ・ポンテコルボ。徹底したドキュメンタリー手法で、目撃者の証言、記録、写真から、ニュース映画のただ一コマも使わず、実写以上のリアルさを再現した。
「ロスト・コマンド/ 名誉と栄光のためでなく」監督:マーク・ロブソン 原作:ジャン・ラルテギー アンソニー・クイン/アラン・ドロンほか、なんて映画も見た。フォーサイスの「ジャッカルの日」、ドゴール暗殺未遂に続いていく訳だ。