12/ 23rd, 2009 | Author: Ken |
崩壊と破局。
黄金に輝く列柱が音も無く崩れ去る一瞬、その下に蠢く人間の生と死のドラマ。破局と崩壊、幻想建築と世界の終末の画家、モンス・デジデリオ。
1600年前半バロック時代に咲いた妖しくも華麗な「狂気」である。過剰なまでの装飾性、不安定性、繊細で異端、幻視者(ヴィジョネール)の眼。その眼は虚無を見つめる地獄への誘いだ。しかし、モンス・デジデリオという人物はいない。それらの作品はフランソワ・ド・ノームとスリュイという二人の画家が描いたものだという。
上記は「偶像を破壊するユダ王国のアサ(聖堂の崩壊)」フィリップ・ウイリアム美術館・ケンブリッジ