5/ 12th, 2010 | Author: Ken |
時よ急ぐなかれ
月日は百代の過客にして、行きかふ年も又旅人也 …… 最近一年が速いと思いませんか? 歳を負う毎に短く感じられて仕方がありま
せん。一週間が、一ヶ月が、一年が…。去年のいま、仕事をした指先の感触がまだ残っているのに、もう同じ季節と日にちです。
物理的時間経過が速くなったわけじゃなし、心理的時間が速く感じられるからでしょう。じゃ、どうして速く感じるのでしょうか?
時代が忙しいから … 地球は狭く便利になり、インターネットによる瞬時に情報が飛び交うことにより仕事や生活リズムの高速化。
情報が多い … やることが多過ぎるからか?嫌な仕事や暇を持て余すと時間は長い、集中している時や興味にひたる時は時間を忘れている。原始時代は時間がゆっくり流れていたのでしょうか?….子どもの頃は、もう幾つ寝ると…いや、遊びに時間を忘れていた。
サーカディアンリズムの変調 … 体内時計と日常生活とのズレ、夜型、24時間営業の都会による時差ボケ?人間の時間、ネズミの時間。
残された時間への焦り … 子どもは未来が広く長い。折り返し点を過ぎ加齢するほど未来は狭まる。その焦燥感で時間が短く感じる。
加齢による新陳代謝の低下 … 人間・生物は開放系の散逸構造でエントロピーを減少させて個体を維持している。エントロピーが増大するのが宇宙であり世界であるのだから生物とはエントロピーの法則に反している。加齢により新陳代謝が弱まりエントロピーが増大するからか?身体的能力が低下して動作が遅く、前にはすぐ出来たのにと心理的時間が速く、一時間が一日がまだ先だと感じるためか?
ところが脳内の記憶、経験、情報量、思考、統合、技術、洗練といったものは加齢とともに強化され、昨日よりも賢く上手く緻密になっている。熱力学ではないが、たとえて言えば脳内秩序、エントロピーの減少であろう。
まあ、認知症になれば脳は無秩序?いやシンプルになる?最終的には原子に還るのだから無秩序、つまり死であるわけだ。
…アヴォガドロ定数でぼくの炭素の数を調べたってぼくじゃないしね。千の風になるより地球大気1立法メートルに2個くらいじゃないかな。
…閑話休題、脳内の情報が加齢とともに増えるから意識下で忙しく脳が活動しているのだろう。だから時間を忘れ、時が過ぎるのが速いのだ。と自分で納得しているが、下手の考え休むに似たりというし、お酒を飲めば支離滅裂のエントロピー増大だし、何とかしてほしいのだが、その間にも光陰矢の如しだ。