5/ 8th, 2010 | Author: Ken |
現実の砂漠へようこそ
Welcome to the Desert of the Real 「現実の砂漠へようこそ」。これは映画マトリックス(1999)でモーフィアスがネオに言う台詞だ。決して現実から逃避するのではないが、この索漠とした現実よりインターネットやゲームのほうがリアルなのかも知れない。
現実という客観的時間、私の意思で判断する主観的時間、それらが一体となりコード化され映像化した情報を見るという行為により現実化するのだ。いま世界で様々な出来事が起っている。君はすべてを自分の眼で見、体感したか。光速で飛ぶ情報を見ながら、これは現実であると錯覚しているのではないだろうか。夢は醒めなければ現実である。現にいま見ているという実感も自分の脳内に作り出した幻影である。またヴァーチャル・リアリティという言葉は「想像された現実」というイメージが強いが、「これまで現実と言われたものとは異なる、事実上の現実」なのである。常に変わらず何物とも関係を持たないニュートンの絶対的時間・空間は相対論と量子論によって否定された。….本当の客観性とはあるのだろうか?また持てるのだろうか?
…映画、TV、ゲームも3Dの波が押し寄せている。これから加速するネットとヴァーチャル・リアリティの時代に、ぼくはどんな座標を持たなければならないのだろう。….恐ろしいことだが、近未来に人間の脳にチップを埋め込みコンピュータと連動し、世界中のクラウドと一体になるのだろうか? その時、自分とは何なのだろうか?….たぶん人間は何でもやってきたのだから。
⚫️THE MATRIX 監督:ウォシャウスキー兄弟 出演:キアヌ・リーブス、ローレンス・フィシュバーン、キャリー=アン・モス
⚫️「悪の知性」ジャン・ボードリヤール 塚原史+久保昭博 訳/NTT出版:「現実の砂漠にようこそ」と現代の情報社会を悪の知性として逆説的に語るのだが、どうってことない内容を思想・哲学書は、わざと造語や難解な文章で小難しくしているのではないか。
本人がよく理解できていないから理解できない文章になるのだろう。哲学者の書く科学は科学用語乱用と勝手な解釈が多いですね。