12/ 10th, 2009 | Author: Ken |
発想。
TIMEの表紙が好きだ。映像だけで理解できるのだ。こんな発想はどこから湧いてくるのか? アメリカという多民族国家の文化なんだろう。そして広告産業が磨いた心理学的表現だ。あのエスクアイヤーの表紙を飾ったジョージ・ロイスたちが作り上げて来た伝統だ。黒いフライパンで目玉焼き、黄身が地球、タイトルは「地球温暖化」。棺桶に一本の木、「森林の死」。地球をロープで縛り上げ、「地球の危機」。発想が違うんだ。映像が心に直接的に入るんだ。そのためアートディレクターたちが必死にアイディアを求めている姿が眼に浮かぶようだ。
昔、「奥様は魔女」というTVドラマがあったね。旦那が広告会社のプランナーなんだ。イーゼルに大きなスケッチを描いて悩んでいるシーンがあったね。隣の頭の白い社長が無理難題。「何を召し上がる?」「ぼくはスコッチ・オンザ・ロック、つまみはスモークサーモンがいいな」。魔法をかけると、スコットランド人がキルトを履いて岩に立ちバグパイプを吹いている。つまみは大きな鮭がデーんとしてパイプをくわえている…。
ユーモアの質が違うんだね。そうそうモンティパイソンでは「嵐が丘」を手旗信号でやっていた。「アイシテイルワ・ヒースクリフ」なんて。辛辣な皮肉、メタファー、ユーモア、インテリジェンス。デザインとは人の心に対してデザインすること。そうなんだ!…そしてわが国の週刊誌は…。