6/ 5th, 2010 | Author: Ken |
相対論的時間
宇宙の年齢は約137億年、地球の歴史は約46億年といわれるが、物理学から見た時間はどうなっているのだろう。かってニュートンの宇宙には絶対時間・絶対空間というわれわれから独立した存在として描かれていたが、アインシュタインの相対論によって否定された。
相対論によると真空中の光の速さ秒速約30万キロが絶対的な物理量となり光速に近づくほど時間は遅れ空間が縮まると。ン?ある慣性系から見て空間上の異なる地点で同時に起きた事象は、別の慣性系から見ると観測者に対して相対運動する時計は進みが遅れ、同時に起きてはいないって? また一般相対性理論によれば重力と加速度は等価であり、これらは空間と共に時間をも歪める。
重力ポテンシャルの低い位置での時間の進み方は、高い位置よりも遅れる。つまり地球の表面では人工衛星よりも時間の進み方が遅い。だからGPSだってこの時間誤差を修正して位置を決めているそうだ。…まあ、ぼくの力ではこれ以上の説明は手に余るから、相対論やその辺の説明は物理学書を読んでいただくとして、時空が観測や実験から証明された真空中の光速が一定(光速度不変)であるに基づき、45度の世界線を持つ円錐形の時空図ができる。この光円錐の未来と過去の原点が「今現在の私」である。
じゃ、どうして時間は不可逆性で過去から未来に向う一方向の矢なんだ? 10億光年先から来る星の光は10億年前に発した光だ。ということは10億年前の過去を見ている? そして、そして不思議なのは仮にぼくが一個の光子としたらどんな世界を見るのだろう….。
相対論によると光速に近づくほど時間の遅れと空間の縮みは極限に達し、光速になると一瞬のうちに宇宙の果てに達する。光子にとっては宇宙の広さは0であり時間も0。ということは空間も時間も存在しない、つまり無だ。光子にとっては無である世界にぼくたちは悠久の時空を見ているというわけだ。相対論で見ると時間は「実」で空間は「虚」である。光速を超えることはできないから光円錐の外側は非因果的領域でうかがうことすらできないものだ。だから因果関係を持てる世界、つまり「時間」が「実」であり時間性の中かに
しか私はあり得ないのだ。ウーン、分かったような分からないような…。
●「時間について・About Time」ポール・デヴィス 林一訳:早川書房 アインシュタインの相対論を基盤として面白いの何の。
●「時間はどこで生まれる」橋元淳一郎:集英社新書 人間的時間と物理的時間の統合論、この一冊で分かった気になる?