5/ 27th, 2010 | Author: Ken |
空を見ろ!鳥だ!飛行機だ!
弾丸よりも早く、力は機関車よりも強く、高いビルディングもひとっ飛び。彼は1938年に生まれた。彼はスーパーヒーローのアダムである。彼がいなければ後の世界も随分と変わっていただろう。’88年にはTIME誌が「スパーマンお誕生日おめでとう」のイッシューを組んだ。
さて、ここに登場するのは3歳の頃からスーパーヒーローに憧れ、描き続けて来た画家アレックス・ロスだ。こんな本を見つけると嬉しくなって見境もなくいっぱい買い込んでしまう。おかげで重いバッグを引きずり超過料金を取られるところだった。
ページを捲るごとにデッサン、コンテ、ドラマ、エナジーが飛び出してくるのだ。「カッコいいー!」その画力に圧倒され、ダイナミズムに参ってしまうのだ。画家は技術、制作過程、その全てを曝け出している。
「こうやって描いているんだよ。…真似できるならやってみな!」と。….本物のプロフェッショナルだ。世に言う芸術などという青ざめた抽象論なんか糞食らえだ。
リキテンシュタインやウォホールが超高価で取引されるのを見ると芸術って何だ?…..確かにポップアートという概念を打ち立てたことは凄いと思う。でも正直にぼくには分からない。街中至る所にある愚劣な彫刻やオブジェと称するもの。あれ高いんだろーなー。下らねーなー。奇妙なポーズをした裸のブロンズ女性がいっぱいいるね。あれってセクハラじゃないの?また巨大なウンコにしか見えないものが芸術だってサ。それよりCPUの微細な基盤や世界同時に繋がっているネットの複雑さ、カミオカンデやスペースシャトルの打ち上げを見る方が、世の芸術なぞとホザクものより、比べるべくもなく圧倒的に美しく人間の叡智を見るけどね。….閑話休題、彼のアトリエの写真を見ると、何と!マダム・タッソー蝋人形のスーパーマンがいるではないか!うーん、こまでやるか!
アレックス・ロス、非常なる非凡なる偉大なる才人である。
●「MYTHOLOGY」ALEX ROSS pantheon Books. New York 2003