11/ 24th, 2013 | Author: Ken |
虎よ!虎よ!
Tiger! Tiger! burning bright 虎よ、虎よ、赫々と
In the forests of the night, ぬばたまの森に燦爛と燃え。
What immortal hand or eye そもいかなる不死の手はたや眼の
Could frame thy fearful symmetry? ああああああああああああ造りしや汝がゆゆしき均整を?
AAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAA「無垢と経験のうた:虎」ウィリアム・ブレイク
「虎よ、虎よ!:Tiger! Tiger!、あるいは「わが赴くは星の群:The Stars My Destination)1956。アルフレッド・ベスター、邦訳は1964年。SFによるデュマの「モンテ・クリスト伯」のような復讐譚だ。半世紀ぶりに読み直してみた。….当時、その壮大なスケールや異常なる世界にワクワクドキドキしたものだ。舞台は24世紀、ジョウント効果(テレポテーション)で飛び回り、内惑星連合と外惑星連合との打ち続く戦争…主人公ガリヴァー・フォイル。ただ一人で漂流する宇宙船を見捨てられた彼は、サルガッソ小惑星群(スターウォーズもこのへんからアイディアをいただいていますね)の科学人に拾われ額にN♂MADと虎のような刺青を入れられる。後に手術で刺青は消すのだが怒ると顔に模様が浮かび上がるのだ。奥歯にある加速装置を起動するとコマ落としのように通常の何倍ものスピードで行動できたりハード仕立ては無視だ。….彼は絶望と復讐心を糧に見捨てた奴らに挑むのだ…..と。いま読むと荒唐無稽、御都合主義で、フーンという感じですね。暴力描写だって、当時ミッキー・スピレーンのマイク・ハマーが45口径を轟かし大流行だった。あの頃はパックス・アメリカーナを謳歌する時代だったんですね。終わりの方にタイポグラフによるデカイ活字表現なんかあって実験的だったんだ。でも、やはり時間が経てば古びるというか、パラダイムというか時代性ってそんなもんですね。映画化の話もあったそうだけれど若きシュワルツェネッガーだったら似合うだろうな。もうCGづくしのドンパチ・カーチェイス・ハリウッド映画なんて食傷気味ですが….。
アメリカのペーパーバックの表紙が大好きだ。リアルでダイナミックで毒々しく、日本人が描くと劇的でないのだ(生頼範義は別格)。見ているだけでワクワクしてくる。特にフランク・フラゼッタなんざ……。だから描いてみました。お笑いを。