4/ 18th, 2011 | Author: Ken |
魔犬…..何でも十傑。
世の中にはとんでもないその道の大家がいるもので、シャーロッキアン達はその典型だろう。架空の人物をここまで深く研究し夥しい論文を発表し続けているのだ。恐らくシェィクスピア研究以上ではないだろうか。カノン(聖典)60編、せいぜい鞄に入る量でしかないが、研究書なら部屋一杯になるだろう。ぼくは純粋のシャーロッキアンではないが、なぜか子どものころより強く惹かれ何回再読しただろう。そして研究書の類いも結構読んできたものだ(いくら好きだからといってとてもそこまではできないね)。そこで自分なりの採点をして10傑を選んでみた。通俗かも知れないがそれぞれにはそれなりの思い入れがある。まあ、これが好きだ!それだけ。
1位 バスカヴィル家の犬 …..怪奇な伝説、荒涼たる風景、底なし沼、そして青白い魔犬。舞台装置と言い、二人の活躍といい…。
2位 まだらの紐………………蛇には耳が無いしミルクは飲まない。難点は多いのだがミステリアスな雰囲気がいいんだね。
3位 唇の曲がった男………….アイディアがいいんだね。そしてホームズが阿片窟にいたりして。
4位 赤毛組合 …………………こんな馬鹿な話は無いのだが、そのアイディアに脱帽だ。三人のガリデブも基本構造は似ていますね。
5位 青いガーネット …………話の意外性がおもしろい。帽子からの推理、鵞鳥、ケチな小悪党、パブやコベントガーデン市場は当時のロンドンを彷彿させる。当時の下町なんか凄かったのだろう。切り裂きジャックなんか跋扈して….。
6位瀕死の探偵……………….いま読めばけっこう陳腐なんだが小学生のころはそのアイディアに唸りましたね。
7位 踊る人形……………………暗号小説だが、これだけの材料で推理するとは!ポーの「黄金虫」の方がはるかに緻密なんですが….。でも人形の落書きが暗号というのがね。
8位 六つのナポレオン……….これもアイディアの素晴らしさ。これ以後この手のやり口が….。本物を目眩ませさせるため大量殺人とか。
9位 ぶなの木屋敷の怪………..物語の出来よりヴァイオレット・ハンター嬢がね。ホームズには何故かヴァイオレットという名前がよく登場する。それはホームズの妹の名前がそうだったからだ。「ぼくの妹だったら行かせないね」この一言が答えである。当時は教育ある女性の仕事は家庭教師しかなかったのですね。そしてストーリーは何だか「ジェーンエア」や「レベッカ」とダブってしまうのですが…。
10位……最後は迷うのです。ホームズがデビューした「緋色の研究」か、あの女性アイリーン・アドラーか、モーンスタンか、ホームズが復活した空き屋か、嗚呼! 迷ってしまいます。
★ワーストなら、ほらあれですよ….ホメオパシーかレメディか、ホルモン剤か、またまたバイアグラか。