10/ 29th, 2011 | Author: Ken |
十月は黄昏の海。
微かに夏の名残を残し十月が終わろうとしている。もう感傷に浸る年代でもないのだが、人生を一年に凝縮したとしたら、ちょうど今の時期か!寂しさの果てなむ国ぞ…というセンチメンタルに襲われる。この寂寥感、やるせなさ、結構いいもんです。それを味わいに秋の山路?夕暮れの公園?
そう、ヴェルレーヌを口ずさみ….秋の日のヰ゛オロンの ためいきの ひたぶるに身にしみてうら悲し…なんて。
枯葉ならイヴ・モンタンもいいね、ビル・エバンスの名演もあるしマイルスかな? と言ってぼくは億劫者だから何処へも行きゃしない。想像だけで出かけるのです。どこがいいかな? ン、時空を超えて過去の浜辺へ。十月は黄昏の海か。だらしなく籐椅子に落ち込み、肌寒い陽の名残の長い光線を浴び、甘いワインを舐めながら、気怠く、ブラッドベリの短編の味を反芻し、手回し蓄音機から流れる歌に委ねるのです。曲は何がいいだろう? そうだ! What’ll I doがいい。アーヴィング・バーリンによって1923年に書かれた曲だ。確かC・ベーカーの「枯葉」のレコードに入っていた。
http://www.youtube.com/watch?v=0cEgIsNO8eQ
When you are far away And I’m so blue What’ll I do What’ll I do When I am wondering Who is kissing you What’ll I do……….
そうそう「華麗なるギャッビー」に流れていた。タイトルバックにデイジーの切抜きやフレームと重なりイメージが出ていましたね。「枯葉」は名演が多過ぎて困ってしまうのだが、あえてB・エバンス、そしてあまりにも有名なキャノンボール・アダレィとマイルスの名演、スリリングなMiles in Berlinも素晴らしい。….これはどう評価していいか分からないのもある(聴いた人は苦笑しないで)、怪演?奇演?あのクワイエット・ケニーのリリシズム溢れる?!ヴォーカルが聞けるのだ。