7/ 26th, 2017 | Author: Ken |
31.3mmの宇宙。
LP RECORD JACKET
1フィート=一尺=LPレコード、約30cmというのは人間のサイズだ。その面積と表現には無限の可能性が秘められている。60年代、なかでもリード・マイルス(Reid Miles)には目を見張るものがあった。大胆なタイポグラフイ、鮮烈なトリミングとレイアウト。カッコいいのである。輸入版は貧しい高校生のガキには高値の花だった。買えもしないのにレコード店でどれほど眺めただろう。どうしたら「こんなデザイン」が出来るのだ?そのセンスを得ようと必死に考えましたね。PCなんて夢にさえ出て来ない時代だ。いまや死語となった水張り、烏口、面相筆。光沢を出すために卵白をポスターカラーに練り込んだりして・・・もう半世紀以上の時が過ぎ去った。・・・★この中に2枚、リード・マイルスでないものがあります。さて、どれでしょう?
実は中段の左から2つめMJQと下段の3つめC.Connorがぼくの作品です。課題のジャケットデザイン、高2の17才ガキでした。N.Y.に行きたい!でも貧しかったし、ドルが¥360でバイトが日当¥400。プレーヤーも無く、ラジオとジャズ喫茶、GIが捨てていった EsquireやLife誌にため息ばかりでした。