12/ 12th, 2009 | Author: Ken |
Blue Sands
深夜0時、Doko Doko Doko Doko Doko Doko Don、押さえたマレットの響きに幻想的なフルートが b♭からオクターブ上がる。
ミッドナイト・ジャズのオープニング、ブルーサンズだ。解説は油井正一氏。耳をそばだて一音も逃すまいとして聞き入る。
手元には大学ノートを広げて解説の要点を急いでメモする。若かったんですね。ジャズが全てみたいだった…。
とにかくバディ・コレットのフルートに参ったね。ギターはジム・ホール。そして映画「真夏の夜のジャズ」ではエリック・
ドルフィーが演奏していた。それがだよ、チコ・ハミルトンが神戸に来たのだ。開演は深夜0時、特別に記者会見にも入れて
もらった。「真夏の夜のジャズ」の映画があり(セロのネイサン・ガーシュマンがバッハのチェロソナタを練習しているシー
ンが印象的)、2時からライブだ。もちろんブルーサンズも演った。フルートはジミー・ウッズ、ギターはあのハンガリー動
乱でアメリカに亡命したギタリスト、ガボール・ザボだ。ボーカルのシルビア・デ・サイルスは美人だった。幕間に彼らが
客席に降りてきて握手やらサインやら。素晴らしい真夏の夜のジャズだった。ぼくもいつの日にかフルートでブルーサンズ
を吹いてみたい!フルコピーして練習したね。いつのまにかジャズに疎遠になりバッハのフルート曲が好きになった。
フルートには魔力がある。何か人の心に触れる音色なんだ。たぶん、人の息づかいがそのままの楽器だからなんだろう。
ブルーサンズ、…今じゃたぶん吹けないけれど。