1/ 17th, 2011 | Author: Ken |
パワースポット探訪記。
正月より風邪気味である。何か熱っぽく脳が揺らめいている。友人の岡噺氏が「そんな時はパワースポットへ行こう」!
「霊験あらたかである」と宣うではないか。そこでいそいそと出かける次第と相成った訳だ。かって城東線と呼ばれアパッチ族が跋扈していた地帯を過ぎ大阪は玉造に降り立った。冷気厳しきなかを歩く程に身体は恐ろしく寒いのに灼熱のプルコギのようなオーラを感じるではないか。病気で衰退した精神感覚が異常なまでに繊細になり沈鬱な魂が移ろいやすくも過敏症的に反応するのであろうか。
鼻腔粘膜にこびりつくようにテッチャン、ギョーザ、オコノミソースの微かなアストラル体が忍び込むのである。怪しげな一角に立つと強烈な霊気は増々昂りドアを漏れ来る圧倒的オーラの奔流である。大きく息を吸い込みドアを開けた。暗闇に眼が慣れるにつれ赤き馬、黒き馬、青ざめた馬が走り出、バスカビルの猛犬の爛々たる炎のような眼が射抜くように迫ってくる…..。ム、ムッ…。教祖、
霊媒、巫女、チャネラー、ヒーラー、呪術師、おばちゃん、おかん。何と呼ぼうと勝手だがこの圧倒的放射霊気は何だ!強烈なマニトゥだ!…パナ・ウィッチ・サリトゥーという言葉が思わず口をついた。心を落ち着け、まあとりあえず特殊な発酵菌作用の霊水を飲む。
ホメオパシーが五臓六腑に染み渡るの。大根に滲み込んだレメディ、ニラとニンニクの黒体輻射、タ二スの香りのするプレアデス星団風酵母菌の最強ホメオパシーを試す。何と!あの寒気に震えていた体が芯から暖まってくるではないか!これか!オーラか!眼が血走るのはキルリアン発光か!いやいやシータ波と宇宙波動である。信じるものは救われるのたとえ通り。俗世間を騒がすスピリチュアル系も真ッ青である。彼らスピ系の言葉を借りるなら(物理学用語を何の衒いもなく無邪気に使うネ)量子飛躍、いや魂のチェレンコフ発光であろう。タマツクリ解釈によると量子のタングルメント状態が意識による収斂であると….。ただしこのホメオパシーも過ぎると気分が悪くなりエクトプラズムを口中より発する(世間ではゲロというそうが)。……理性のゆらぎというより単なる酔っぱらっているのである。ほいほい、良い子は水に有難うと言いましょうね。心優しき大人は焼酎にゴッツアンですと感謝の気持ちをね。
★なーに、玉造・真田山公園の居酒屋「風まかせ」に酔狂にも飲みに行ったお話、それだけである。亭主寛子さんの歓待ぶり、他のお客様も心安く和気藹々、お値段も超リーズナブル。大阪に行ったらお薦めですよ。http://fanto.org/kazemakase.html
10/ 29th, 2010 | Author: Ken |
極短小説….2
またしても悪乗りです。何の役にもたたない戯れ言を…..。Cartoon:カトゥーンって言う一コマ漫画がありますね。
あれって一コマに知恵を絞ること悪戦苦闘だと聞いた事があります。アメリカではそのアイディアだけ売る商売があるそうな。
まあ、極短小説もそんなものか。出来不出来はありますが歯に衣着せぬ辛辣なご批判を….。
側近
ナチの高官が胃潰瘍になった。権謀術数が渦巻く第三帝国の神殿はストレスが多い。忠誠心こそ生き抜く知恵だ。
入院にあたって医者に一つの注文をつけた。大手術だった。手術は成功し回復した。総統が見舞いに訪れた。
「元気になってよかったな。君は我が党になくてはならない存在だ。ところで傷口を見せてくれんかね?」
「ハイッ!総統!ハイルヒットラー!」彼は痛みをこらえてサッと立ち、踵をハッシと打ち、パッと右手を挙げた。
パジャマを勢いよく開いた。腹には大きく見事なハーケンクロイッツの手術跡。
長いお別れ
今日は来てくれるだろうか。いや必ず来てくれる。特別の日じゃないか。娘のサリー。あの栗色の髪、ちっちゃな唇は
甘いキャンディの香りがする。ほんとうに楽しみだ。足音が聞こえるぞ。サリーのスキップだ。ハイヒールの音はヘレンだ。
優雅に歩む姿が浮かぶようだ。どれほど愛しているかわかるかい?
幸せな日々は短いものだ。あのパーティの後、気分が悪くなって……。おや? もう一人の足音がするぞ。男だ。
三人が立ち止まった。花の香りが流れる。ライラックだ。雛菊もある。ヘレンの声だ。「あなた、もう来ることもないわ。今日は
その区切りよ。新しい人生を始めるの。さようなら」「さあ、サリー。お父さんに最後のお別れを言いなさい。今日からヘンリー
が新しいお父さんよ」「ヘンリー? あの保険屋の? あのパーティで飲んだ酒……」墓石は黙して語らない。
名手
ザハリコフ中尉はソヴィエト軍第一の狙撃手だ。フォン・シュタイナー少佐はドイツ軍最高の射撃教官だ。彼らはスターリン
グラードで相まみえた。名手であるほどチャンスは一回切りだ。六百メートルの距離は彼らにとっては必中圏だ。両者とも完璧に
相手を捉えた。敵の銃口がスコープにクッキリと見える。名手中の名手であるだけに引き金を引いたのも同時だった。
弾丸は当たらなかった。あまりにも完璧な射撃だったので、両者の弾丸が空中で正面衝突したのだ。
愛は蜜よりも
「やっと最高の女性を見つけたよ。僕は三度失敗したけど、君だけは違うよ」高齢の資産家は若い妻を愛おしく見やった。
「私もそうよ。あなたこそ理想の男性よ」「ところで前の旦那さんは何で亡くなったんだね?」
「そんなこと思い出させないで! 愛しているのはあなただけよ、甘いお酒で乾杯しましょ」「じゃあ、二人の人生に!」
「ウウッ! このシャンパンは苦い……」
ドランカー
「そんなに飲んじゃいけませんよ」「いいんだ。金ならある」。「しかし、困るんですがね」カウンターの男は顔をしかめた。
「そんなことを言っていると君を……」血液センターの職員は恐怖に震えて懇願した。「お願いです。ドラキュラ伯爵さま」。
最初のビジネス
若く魅力的な二人は一文無しだった。一人前になるためには何か仕事をしなければならない。
お腹が空いた。女はリンゴを囓った。突如、彼女の身体に衝動が走った。「ねェ……」「ン……」
気がつけば、生まれたままの姿でいることに微かな寒さと不安を感じた。金をかせがなきゃ二人は….。
男はひらめいた。「そうだ! 洋服屋をやろう。絶対だよ!」
深層心理
彼女は手を洗い続けた。洗っても洗っても心は安まらない。それはトラウマなのか? イドの奥底からこみ上げる脅迫観念か?
どうしても衝動を止めることができない……。「ああ、落ちない、落ちない」。森が動くように人々の一団が現れた。
「見て!見て!かわいいなー。あのアライグマ」
10/ 25th, 2010 | Author: Ken |
極短小説の愉しみ。
短編小説が好きだ。その中に面白さのエッセンスを凝縮し、冗長ならず鮮やかに切り取る手練の技を見るからだ。それは居合にも似て鞘のなかですでに相手を斬るというアイディアの冴えがあるからだ。もっと短いショートショート、いや極短小説というのもある。
英語では55語で書き上げる。つまり“Fifty-Five Fiction”という訳だ。日本語なら200字以内といったところか。でもジョークや駄洒落では駄目で起承転結、小説の態をなしていなければならぬと。ウーン難しい….。少々恥ずかしいのだがぼくもチャレンジしてみた。
手厳しいご批判をお待ちしています。
最後の晩餐
拝啓、クラリス様 …ハンニバルより 羊たちの悲鳴は止んだかね? 私は人生の最後を飾るに相応しい場所を得たよ。
ディナーの準備も整ったようだ。湯もぐらぐらと沸いている。シャトーデュケムやチェンバロの代わりに極上の
椰子酒とタムタムの響きがある。久しぶりの正餐にみんなも興奮しているよ。酋長も舌なめずりしている……。
「あっ痛い! もっと紳士らしく扱えよ」
釣り師
釣り師の話はでかい。釣り落とした魚はもっとでかい。
「オレがユーコン河で落としたキングサーモンな。ありゃ6フィートはあったぞ」「それがどうした! 僕がマダガスカルの沖で釣った
奴はな。あと僅かのところで糸をかみ切りやがった。ゴンベッサだよ。シーラカンスだ!」「何を言いやがる。ワシがカリブ海で闘った
大物はな。釣り上げるのに三日三晩じゃ。しかし、帰りに鮫どもに食われてしまいよったがな」潮焼けした老人が自慢した。
その時一人の男が店に入って来た。釣り師ならぬ古風な装い、沈痛な顔に太い傷跡、脚は義足だった。みんなは急に黙り込んだ。
「おい、みんなどうしたってんだ。いったい奴は何者だ?」シーッ、「エイハブだ。エイハブ船長だよ!」
酒と薔薇の日々
現代はストレスに満ちている。酒にのめり込んだのもそのせいだ。彼は完全なアルコール中毒者になった。当然会社はクビになった。
家庭は崩壊、浮浪者になりはてた。「ああ、酒が欲しい。酒、酒、酒が……」。譫妄症が現れ幻覚に襲われた。彼は酒のためにひどい
犯罪もおかした。精神病院に収容されそこで死んだ。死の間際に何か一つでも良いことを残そうと思った。
「僕の身体を役立ててください。こんな人生をおくらせないために……」願いは成就した。
彼はいま病理学教室にいる。アルコール漬けの脳標本として。
不眠症
ドリーは眠れなかった。数を数えた。羊が一匹、羊が二匹、羊が三匹……。幾ら数えても睡りは訪れない。
二千九百九十九……。バイオ研究所の博士が牧場主に言った。「三千匹目のクローンの誕生です」
7/ 26th, 2010 | Author: Ken |
うつろ船ふたたび。
最初にお断りしておくのだが、私は神秘主義、疑似科学、占い、予言、霊、血液型、UFO云々は全く信用しないし迷信であり唾棄すべきものと考えている。ただし、映画や酒の上のお遊びとしての話題なら大歓迎だ。その中でも子どもの頃に読んだ「空飛ぶ円盤」の面白さは抜群だった。宇宙人だ、いや新兵器だ、いやタイムマシンだと小松崎茂の空想科学イラストには感激したものだ。そして何かの本で「うつろ船」の伝説やその円盤形の乗り物について知った。不思議だ、江戸末期にこんな形を誰が想像できただろう。人間とは必ず先例にプロトタイプを求めそれから発展さすのが思考のプロセスだ。飛行機は鳥に習い潜水艦は鯨だ。長い進化の果ての姿は合理的で美しい。
じゃ「うつろ船」の空飛ぶ円盤はどこから…?これは世界で初めて描かれたの円盤形乗りものだ。ヨーロッパにもどこにもこんな形は見た事がない。余談だがフリスビーは40年代後半にイェール大学の学生がパイ皿を投げ合って遊んだのが発祥というが、そんなもの日本では古くから「かわらけ投げ」が多くの寺や名所遊山に伝わるのだ。誰もパテントを取る事を考えなかった。少し悔しい。
「うつろ船」の形は何から想像したのだろう。まあ、一寸法師のお椀の船もあることだし蓋付きお椀として、その頃には黒船が日本近海に出没していたから、窓にはビードロを嵌め南蛮鉄にチャン(タール)を塗る。そして蛮女なのだが、異国人を意識したのだろう。
ところが異人を見た事がないので何だか中国風になってしまった。文献では「鶯宿雑記」「常陸国うつろ船流れし事」駒井乗邨,1815年頃?「兎園小説」「うつろ舟の蛮女」曲亭馬琴1825年、「弘賢随筆」八代弘賢1825年、「梅の塵」「空船の事」長橋亦次郎1844年、「漂流紀集」「小笠原越中守知行所着舟」1835年以降?とあるが、これは面白いと噂が噂を呼び広がったのだろう。どうも馬琴のSFだとの説が強いが…。
ここまではいいんだ。私としてはこんなことで終わらしたくない。徹底的に解明したいところだが何しろ過去のことだ。
早速、空想時航機を駆って飛んでみた。過去を変化させては現在が狂うので、時空間の隙間から覗き見た。怪しい燐光を発しながら稲妻とともに現れた。電離した空気、微かなイオンの匂い。どうです美人で魅力的でしょう。ファッションがちょっと古い気もするが…。そして不思議な宇宙文字。新しく解明したところでは、どうもワームホールを通って来るワープ図らしい。
そういえば、パイオニアの銘版やボイジャーにはディスクを積んでいた。地球人の男女の姿、水素原子超微細遷移の概念図や太陽系、パルサーの位置なんか…..。楽しいでしょう。
6/ 16th, 2010 | Author: Ken |
エゼキエルは何を見たか?
旧約聖書、エゼキエルはあのバビロンの捕囚であり、捕囚された者たちに希望をもたらすために神に召されたという予言者である。
紀元前593年、そのエゼキエル書第一章に、第三十年四月の五日に、われケバル河のほとりにて、かの捕えら移されたる者のなかにおりしに、天開けて、われ神の異象を見たり。… 烈しい北風に吹き来った輝く雲、燃ゆる火の玉から人の形をした者が現れ、四方に顔と四方に翼を持ち、電光のごとく動き、足は銅の輝きがあり車輪のうちに車輪あり、その首の上には固きなる蒼穹の上に、青玉のごとき王座の形があり、そのなかに人のごときものがあった。……
これをNASAのエンジニアであった著者が、自らの設計技術を活かし、エゼキエル書に述べられた通りに設計すると、何と!宇宙船が現れた。当時はあのフォン・デニケンのトンデモ本がブームであったので、それを否定しようと設計を始めたのだが、結果デニケン説を肯定することになったと…。こういう話は本当に楽しいものだ。悪戯心が騒ぎますね。
日本人にとって旧約聖書は神話・伝説のたぐいだし、とても人格神、創造論、インテリジェント・デザインなんか想像できない。でも海外にはダーウィンの進化論を否定し、世界は平面であり、旧約聖書の記述を真実と信じている人々もたくさんいるのだ。
この本は40年近くも前の本だし、当時は月面着陸の興奮が未だ醒めやらぬ頃で、NASAのコンピュータは最強最速、驚異だった。今の私のPCと比べてメモリー、CPU、HDD、演算速度とどんな性能だったのだろう。….何かハリウッド映画の劇的な場面を彷彿させますね。稲妻、閃光、轟音、天上から巨大な宇宙船が…。早速CGで作ってみた。何なら3Dだって。いかがかな?
●「円盤製造法」エゼキエルの宇宙船を復元する。ヨーゼフ・A・ブルームリヒ/松谷検事訳:角川文庫(1977)
6/ 10th, 2010 | Author: Ken |
うつろ船はタイムマシンか?
時は享和三年(1803年)常陸国(茨城県)はらやどりという海岸に不思議な物体が出現した。未確認飛行物体・UFOなのか?
これを「うつろ船」という。中から箱を抱えた異様な服装の女性が出て来て人を寄せ付けなかった。また船内には不思議な文字が描かれていた…。これは単なるフィクションか、ホラ話か、それとも実際にあったことか?様々な説が現れたが、そのなかでもタイムマシーン説が最も興味深い。ちょうど同じ頃、フランスはヴェルサイユにサンジェルマン伯爵という奇天烈な人物が現れた。
錬金術に優れ、その記憶、知識は無尽蔵、あらゆる国の言葉を話し、年齢は二千歳とも四千歳とも語った。そしてチベットを始め各国を訪れ最近日本に行って来たと語ったという。ちょうど「うつろ船」の記録と時期が一致する。さて、サンジェルマン伯爵の言い伝えから察すると彼はタイムトラベラー・時間旅行者ではなかったか?そうすれば彼の言動は理解できるし「うつろ船」が「タイムマシーン」ならすべてが解決する。ここまでは楽しいお話としていいんだ。これからは眉にたっぷり唾をつけてね。
ぼくも子どものころから、この話には心を動かされ長年の資料収集と研究の結果、PSCS3というソフトで見事撮影に成功した!
そして奇妙な文字・図形の解明も科学者たちと進めている。現在までに判明したことは、
1)これはポテンシャル・エネルギーの記号である。 4)超伝導に於けるクーパーペアだ。 いや1)と4)は関連していて、これは障壁をすり抜けるトンネル効果の図形だと一致した 。2)は江戸時代の人が意味がわからないので写し間違えた。これは光子によって電子と陽電子が作りだされ(e2,p)、陽電子がbでe,e1によって消滅する時空ダイヤグラムである。時間tの観測者は同時に3つの粒子を見、ファインマンによればこの経路は時間を後ろ向きに伝える電子の軌跡だと見なす事ができる。3)は明らかにミンコフスキーの時空図であり、過去・現在・未来を図にしたものである。と小難しく楽しむのもいいが、どうも「うつろ船」はあの南総里見八犬伝の作者滝沢馬琴の「兎園小説」が出どころでSF小説が真相のようだ。こういう悪戯や人を食った話は本当に面白い。S・キングやSF作家、ハリウッドは大法螺吹きだね。
5/ 24th, 2010 | Author: Ken |
こんな話、あんな話。
いやー、楽しいの何のって。さるメーリングリスト上で「6本脚」のニワトリが話題になっている。こんな面白い話題は久々だ。
ぼくだって黙っていられない。血が騒ぐのですよ。河童の木乃伊、鬼の爪、人魚の木乃伊、肉付の面、火星の人面岩……。あるわあるわ、海外ではロンギヌスの槍、ユニコーン、聖遺物、もちろん失われたアークも、雪男の頭皮やネッシー、アダムスキーの宇宙船、もうたまりませんね。…こんなニワトリはやはりキメラ(Chimera)なんでしょうね。
たかが6本脚が何だ!ぼくは14脚のニワトリを飼っているんだ。これで驚かないのだったら千手観音ならぬ千脚鶏も知っているのだ。どうやって歩くの?なーにナチスの行進ね。あれ「アヒル足行進」って言うし、中国や北朝鮮の軍事パレードをYou Tubeで見て、凄いシンクロしていて、CGじゃないの?って思ってしまう。この鶏は右、左って見事にシンクロして歩くんだ。そういえば太閤秀吉は指が1本多かったというし、ルドルフ二世は不思議物のコレクターであったし、シーザーは馬の蹄がもう一つ横についている馬を珍重した。…..お遊びで言うのはいいけれど、信じる人もいるから気をつけたいものだ。
しかしだ、このバイオテクノロジーの時代には、急速に成長する肉豚、クローン、豚に人間の臓器を作らせたり、気味の悪い話が現実になりつつある。脚がたくさんある鶏ならもも肉の生産性が上がるしね。いっそのことips細胞から脚だけの鶏を作ったりして。だから本当のような気がして来て「一種のカルト」みたいなものにハマるのですね。あのシャーロック・ホームズの原作者コナン・ドイルだって妖精写真や降霊術を信じていた。ぼくは疑似科学には笑ってしまうから好きなんだ、何が動物磁気だ!ホメオパシーだ!
奇術師のジェームス・ランディは「科学的に実証できる超能力を持つ者に、100万ドルを進呈する」と、超能力者の挑戦を募っている。いまだに誰も挑戦していないから、ヒーラーたちどんどん挑戦すればいいのに。100万ドルだよ!
…ぼくの多脚鳥はフォトショップというお店で買ったんだ。そうそう「秘密の動物史」って本知ってる?これは素敵だよ。脚のある蛇のX線写真や、頭に鹿の角をつけた兎や不思議な動物がいっぱい。
4/ 21st, 2010 | Author: Ken |
火星の顔
不気味な赤い惑星、戦いの神マルス、H.G.ウェルズの「宇宙戦争」、オーソン・ウェルズの「火星人襲来」、スキャパレリのカナル、ローウェの運河…。緑の小人やベム、タコ形火星人、アシモフの火星人の解剖図(カテゴリーTOYBOXに載せています)。楽しさ抜群である。4月15日、オバマ大統領も2030年半ばまでに火星有人飛行を目指すと表明した。まさに興味津々ですね。
1976年バイキング1号が撮影した火星シドニア地区の写真の中に長さ3000m、幅1500mに及ぶ巨大な人面岩が写っていた。NASAは「光と影の悪戯で、たまたま人の顔のように見える面白い地形」とお遊び?で発表したが、いやNASAはあえて隠蔽している。それは火星に古代火星人の遺跡があると発表すると世界が動揺するからだ….。また火星人が地球に飛来してエジプト文明を築いたとか、人面岩が涙を流した跡がある、眼球や歯もある、傍にピラミッドがあると、まことしやかに語られている。
一昔前のフォン・デニケンが大喜びしそうな話だ。1996年にはマーズ・グローバル・サーベイヤーは高解像度のカメラを搭載し、鮮明な写真で火星の高精度地形図を完成させ、そして2001年に人面岩やピラミッド撮影した写真が公開され(B)、これは自然物であるということが確認された。また、ニコニコマークに見える地形(E,F)もあるが、なぜこれを遺跡として取り上げないのだろう。
2006年には欧州宇宙機構(ESA)マーズ・エクスプレスが撮影した人面岩の立体画像も公開された。
人間は3つの丸が並んだ逆三角形を見るだけで顔を連想してしまう。これはロールシャッハやシミ、木陰の濃淡で心霊写真などの顔が見える現象で、SF作家のフィリップ・K・ディックの小説から取られたシミュラクラ(類像現象)と呼ばれている。
A)1976年の写真、確かにバッハみたいな顔に見えますね。話はこれから面白くなってくる。
B)2001年の写真、なんだかチンプに似ているね。B’)早速チンプの写真にエンボスをかけて階調を反転したらこうなった。
C)Bの写真の階調、フィルター処理、左右対称にしたら、なんだかヌードに見えますね。C’こんなイメージかしら。
D)Bの写真のコントラストを高め、左右対称に。能面か、いや三葉虫にも見える。能面ならD’のようなものか。幽玄の世界ですね。
E)F)火星にはこんなニコちゃんマークもあるのだ。…..やはり火星人は凄い。直径215kmという巨大なクレータであり、Happy Face Craterと呼称されている。…人面岩を問題にする人たち、どうしてこれを問題にしないのか不思議である。
●「火星の人面岩はなぜできたか」ヴァルター・ハイン 赤根洋子/訳:文芸春秋:….これは明らかに地縛霊であると言って!
●「火星のモニュメント」リチャード・C.ホーグランド著 並木伸一郎訳 宇佐和通/訳 東京学研:火星には人面岩など
人工構造物の古代遺跡が数多く存在し、NASAはそれらの事実を隠蔽し続けている!…..何で隠すのか教えて!
4/ 12th, 2010 | Author: Ken |
To bee, or not to bee, that is the question.
「タイトルの綴りが間違っているぞ、beeではなくbeだよ。文学の知識なしだね、ホームズ」。
「初歩だよ、ワトスン君、ぼくが引退して何をやっているか知っているだろう。実用養蜂便覧、付・女王蜂の分封に関する緒観察を読んでほしいものさ、だからBeeでいいんだよ」。
おもしろい男に会った。蓬髪巨体、さる大学の教授様なのだが英文学の研究と仰せられる。シェイクスピアかブロンテかと訪ねると、庶民の歴史なんだと…。思わず膝を乗り出しましたね。得てしてこの手の顔に童心をかいま見るのでルイス・キャロルかも知れん。何しろ笑顔がチシャ猫的である。じゃ、あの探偵は?と問うと破顔一笑、ウィスキーをグッと飲み干し、したり顔で宣う。最近さる会合で「なぜホームズはライヘンバッハの滝に落ちたのか…アルプスをめぐる想像力」と講演をしてきた。いるんだ時々、こういうオジさんが。ベーカーストリート・イレギュラーズがそのまま大人になった男だ。嬉しくなってきますね。
ぼくは隠れシャーロッキアンなのだが研究倶楽部にも入っていないし、ロンドンも上ッ面しか知らない。でもガス灯と霧にむせぶ19世紀の倫敦を想像するだけで楽しくなる。文学者でジャーナリストのW・コベットは倫敦を「グレイト・ウェン(オデキの親玉)」と言ったとか。その闇のなかでで世界初の諮問探偵が活躍するなんて…。何しろシャーロック・ホームズが快刀乱麻の推理力で解決する話は何回読んでも尽きせぬ魅力がある。聖典(カノン)を克明に読み解き新発見と新説を論じていく。架空の人物でありながら、これほど実在感のある人もいませんね。まあ、何しろ英国民謡の「埴生の宿」でも歌われているのだから。
〜 There’s no place like home 〜 だが、これが間違い。正しくは 〜 There’s no police like Holmes 〜 だ。
4/ 1st, 2010 | Author: Ken |
April Fool
祖父の遺品を整理していたら妙なものが出て来た。確か明治の末に赤ゲットであったとは聞いてはいたが…。
こんな日乗の切れ端がついていた。…明治四十一年、四月朔日、吾、欧羅巴洋行より帰邦し折り、喜望峰を超え阿弗利加まだがすかるの小諸島にて石炭積み込みのため停泊。暑気殊の外強くあまりの無聊さに慰みとして腕に憶えある夜釣りと相成った。糸を垂れる事数刻、凄まじき引きに甲板より引き込まれそうになった。激闘数刻、汗淋漓と流れ、精も根も尽き果てやうとした頃やうやくにして巨魚を釣り上げた。その容貌怪異にして怪しき燐光を放ち足るが如し。はて何という怪物ならんと土人に聞くや、ごんべっさ、権兵衛佐と騒ぐ。昔より神の使わしたる魔魚にて凶事あるとて海に還せとしきりに言う。この奇っくわいなる魚、刺身にして食うべきにもあらず魚拓を撮りて海へと還した。船長のあいざっく・うぉるとんjr.が言うに、これ、すこっとらんど、ろっほ・ねすなる湖に古き伝説あり、その仲間なるらんと。それにしても大洋は不思議ではある…
このように日記には書いてあるが祖父は明治の男ゆえ気宇壮大、話も大袈裟であったと聞く。まあ、信じるか信じないかは勝手だが。