2/ 2nd, 2010 | Author: Ken |
火星人の解剖学
レオナルド・ダ・ヴィンチはエイリアンの解剖図を描いていた?…これは嘘。この絵はアイザック・アシモフの科学エッセイ「生命と非生命のあいだ」早川書房、「IS ANYONE THERE?」1967にある「火星人の解剖学」だ。仮に「火星には知的生物がおり、その形はだいたい人間の格好をしている」という前提に基づいて空想の翼を広げた楽しい話だ。火星の重力は地球の五分の二、地球の百分の一の希薄な大気、昼夜の温度差、循環器は乾燥に耐え、紫外線をエネルギーの糧とするために折畳み式光線吸収ケープを背に持ち、それは輝き…..。空想の結末は天使か悪魔の姿とあまり変わらなくなった。(アーサー・C・クラークの「幼年期の終わり」もエイリアンは悪魔の姿だったね)…実に楽しい知的お遊びだ。それを当時一流の男性誌エスクアイヤーがニコラス・ソロヴィオフ描くイラストレーションで掲載したのだ。ダ・ヴィンチ風にするところが何とも心憎い。その巧みさとエンターテインメント、惚れぼれしますね。ぼくもいつか空想生物解剖図鑑(嘘八百の)なんか作ってみたい。