10/ 5th, 2015 | Author: Ken |
Golf Illustration
10/ 5th, 2015 | Author: Ken |
Golf Planning/illustration
GOLF
ゴルフ・ウェアのプランニングを長年やってきた。あの絵型と称するベタ絵のトンボかステルスみたいのが嫌いだった。もう、各社とも業界の倣いなんですね。イラストレーターの絵にストライプや柄をつけて・・・。だからわざとスケッチで押し通してきた。もちろん商品企画というクローズドな世界でのプレゼンテーションなので公に見せるものではない。またそこまでの自信もない。だって自分の絵の弱点は一番知っているんだから。ボブ・ピークの真似なんですよ。初めて見たときの衝撃といったら!確か60年代初期、アメリカの業界誌 Men’s Wear だった。いままでのイラストレーションと全然違うのだ。ダイナミックでスポーツの世界とウェアが迫ってくるのだ。それ以来ボブ・ピークもどきで描いている。だから、僕はイラストレーターだなんて絶対に言わないのだ。
12/ 12th, 2014 | Author: Ken |
Coat Special
60年代だった。あのVAN JAC.が輝いていた頃、さるメンズ・ショップのDMを制作していた。「ランチ・コート」なんてVANのネーミングでシープスキン・コートを裏革に似せたコットン・スエードとアクリル・ボアで作ったりしてね。随分と売れましたよ。原稿なんて全て手作り(インスタント・レタリングはあった)。イラストを面相筆やGペンで描いて文字は写植を貼るんだ。このPC時代に隔世の感がありますね。若かったんですね、徹夜なんて当たり前だった。懐かしくもお恥ずかしい青春の一コマだ。
■Client:CAPTAIN/TAMAKI
■Design and Illustration:Ken
11/ 18th, 2011 | Author: Ken |
DUNLOP PHOENIX TOURNAMENT
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世界の強豪、名手たちが今年も九州宮崎で熱戦を繰り広げる「ダンロップ・フェニックス・トーナメント」。1974年第一回大会から数えて今年はもう38回目だ。ジョニー・ミラー、ヒューバート・グリーン、セベ・バルステロス、トム・ワトソン……そして帝王ジャック・ニクラウス。あのメジャーたちを眼前に見て感動したものだ。
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でも僕の思い出はプロたちの熱戦もさることながらトーナメントの記念品やスーベニールのショップ作りだ。…..1974年第1回大会から商品企画などで若造ながら加わった(歳がバレますね)。何しろ日本で始めての本格的インターナショナル・ツアーだ。企画ではプロアマ参加の面々、スポンサー、選手、役員の全員が揃いのタータンチェックのブレザーを着用。そのレセプションは壮観でしたよ。
ショップも当時は前例が無い以上参考にするものなんて皆無だから海外のゴルフ雑誌やトーナメントを必死に盗みましたね。ショップは大阪で仮組し、宮崎まで運び徹夜で作りあげた。それが第3回大会で77年だったと記憶する。よく売れましたね。数十万円もするシープスキン・コートまで売れたのだ。いい時代だったのですね。そして時代も変わり2004年からまた関わるようになった。….まあ僕のゴルフの腕はダッファーそのものでプレイもしなくなったが、ゴルフの世界を知るようになり歴史や数々のエピソードはいまも興味が尽きる事もない。….少し腹立たしいのは、ホラ、あれですよ、ゴルフウェアね。あんな奇妙な服ってちょっと町中じゃ着れないですね。
だからトラディショナルで品性あるウエアを目指して企画してきたのだが時代の潮流には逆らえませんでしたね。下の写真は1974年の第一回大会のVIP用のキャシミアセーターだ。そして77年のスーベニールたち。懐かしい思い出の品だ。
8/ 5th, 2011 | Author: Ken |
装丁・「被爆者医療から見た原発事故」
「フクシマ」。医師から見た原発事故の脅威。私たちは被爆者から学び、何を引き継いでいかなければならないか。
子どもたちのために、次の世代のために。いま正確な情報がない状況下で、加害者として自らの責任の自覚を求めることは
過酷かもしれない。しかし、原爆の経験を自らのものとできないまま、この地球を放射線汚染の脅威に曝すようなことは
避けなければならない。私たちは決して、加害者になってはいけない。….医師・郷地秀夫(ごうちひでお)
1947年 広島県賀茂郡西条町(現東広島市)に生まれ、1973年 神戸大学医学部卒業後、精神科、神経内科、
リハビリテーション科、一般内科、緩和医療等に携わりながら、被爆者医療に取り組んできた。
2003年から神戸健康共和会・東神戸診療所 所長、兵庫県保険医協会副理事長「核戦争を防止する兵庫県医師の会」に
創設時から参加し、現在、運営委員。東神戸診療所と東神戸病院の外来で、
約250人の被爆者の主治医として日常健康管理を行っている。東神戸病院では被爆者特診外来を、年2回の
被爆者検診では約700人の検診を担当している。これまで兵庫県下の2000人の被爆者と関わってきた。
●被爆者医療から見た原発事故…..被爆者2000人を診察した医師の警鐘/郷地秀夫(ごうちひでお)著
かもがわ出版 定価/本体1000円+税
8/ 3rd, 2011 | Author: Ken |
冷たい夏。装丁・「原爆症」
あ年目の夏が巡って来る。原爆とは人類が犯した最大の過ちである。核戦争は個人の死だけではなく人類という種の滅亡である。この46億年の地球、生命の歴史、ホモサピエンスの歴史、それらが潰えるのだ。 いままた核の恐怖が福島で起っている。
いかに平和利用とはいえ「核」はあまりにもリスクが大きいダモクレスの剣だ。それを思うだけで背筋に冷たい戦慄が走る。世界はいまだに2万発以上の核兵器を持ち続け、原子炉を内蔵した廃艦も含めて数百隻の原子力を動力とする空母や潜水艦、そして431基の原発が地上に存在する。人間が作り、それを制御できるという思い込み、それは人間の傲慢としか言えないのではないか。
ここに一人の医師がいる。郷地秀夫氏だ。30年余り被爆者を診続け、原爆症認定集団訴訟の証言台に立った医師が、被爆者の実相と生き様を描き出す。また、「原爆症」の実態を浮き彫りにし、国の厳しい認定基準を告発する。そこには、医師であるがゆえに、誰にも言えなかった被爆者たちの心の奥底からの叫びが聞こえてくる。彼は語る
「暗闇を恨むのをやめて、一本のろうそくに灯をともそう」矛盾だらけの現実に、先の見えない暗闇の愚痴を行っても何も変わらない。たとえわずかな灯でも、自分の心のろうそくに灯をともそう。行動すること、自分が変わること、信じること。そして希望を持つこと…そして、今、これまで私に託された、たくさんの被爆者の思いもこの火と一緒になって、手に持つ筆を燃やし、紙面を焦がしながら文を焼きつけていく。多くの被爆者は高齢となりつつある今、この灯火が消える前に私たちが継がねばならない」と。
ヒロシマ、ナガサキ、フクシマ、未来に悲劇を、禍根を残さないためにもいま「核・原発」への決断が迫られているのではないだろうか。….数年前になるが縁あって郷地秀夫氏の「原爆症」の装丁を頼まれた。やはり「人間とその内面」を表現しようと悩んだ末に描いたのがこの絵である。少しでも著者の「重さ、深さ、メッセージ」が表現できただろうか。
●「原爆症」罪なき人の灯を継いで…..郷地秀夫/著:かもがわ出版
4/ 29th, 2010 | Author: Ken |
キッチュ?
連休の始まりである。ゴルフ好きの人にはたまらない季節だろう。もうプレイはしなくなったが、ダンロップ・フェニックス・トーナメントには思い出が深い。1974年の第一回目から宮崎に行っている。ジョニー・ミラー、ヒューバート・グリーン、トム・ワトソン、ジャック・ニクラウス、セベ・バルステロス….。世界の強豪のプレイを目の当たりにして興奮したものだ。
ぼくはウェア、グッズやショップの企画をしていたのだが、どうもゴルフウェアには何か違和感と戸惑いを感じていた。ぼくは努めてトラディショナルでオーセンティックなものを求めていたのだが、世間は違う。ド派手、オッドでストレンジな奇妙な衣服。言葉は過ぎるが「悪趣味」の代表みたいなものがフェアウェイを闊歩するのだ。プロは広告塔だし、1打が百万、千万円の博打みたいなものだから、勝負師ウェアでいいんだ。
だがアマチュアはもっとシックでアマチュアらしさを着て欲しかったのだ。まさかニッカーボッカーズが現代のものとは思わないが。しかしブランドを大書きしたり、これでもか!という強烈な補色、大胆?で妙な漫画入りやキッチュ感覚には正直身を引いてしまう。まあゴルフ場という特殊な場所で着る特殊なウェアだからからいいんだろうが…。
そして競泳みたいに0.0何秒で競うでなし、ハイテクウェアもスコアにはあんまり直接関係ないと思う。1926年にはボビー・ジョーンズがジ・オープンでアウト33、イン33、33ショット、33パットという完全スコアがあるし、1934年にはヘンリー・コットンが65という驚異の数字がある。ヒッコリー・クラブにガタパーチャ・ボールの時代にね…。
そういえば’30年代のエスクアイア誌に「ウェアがスコアに貢献することは無いだろうが、自信あるウェア、誇りある着こなしは深いバンカーや窮地に陥ったときに勇気を与えてくれる...」とある。
ウェアとはそのようなものなんだろう。ネクタイという妙な習慣だってあんな紐、ビジネスやコミュニケーションの手段としての実用があるから続いているんだろう。…真面目さ?の表明だね。ゴルフというゲームを楽しむためには「趣味が良く快適で自信の持てるウェア」が永遠の真実なんでしょうね。だってゴルフはメンタルで、紳士?のスポーツっていうじゃありませんか!