2/ 14th, 2010 | Author: Ken |
Toy Box … Sports Figure-2
釣りなんてまともにしたことがないが、イメージだけは追っかけていた。まずジャケットはバーブアだ。フィッシング・バッグはリーズデールがいい。ブーツはシムスかハーディか、リールはアブだとか…。
そして帽子はミラーのアイリッシュ・カントリー・ハットにしょうなんて。…それだけでリバー・ツイードの冷たい水とかヘンリーフォークにライズするブラウンやレインボーなんか想像してしまうのだ。ニンフが舞う河面に手首を2時から10時にスナップを利かせて、リードはラインは…。
全然出来ないくせにね。つまり偽物フィッシャーマン、格好つけてアームチェア・フィッシャーマンだ。釣狂の友人にいつも笑われている。
ゴルフは少しはやった。まあスコアは70台まではいかなかったが、震災を機会に止めてしまった。昨年は日本最古のゴルフ倶楽部がある六甲山頂には2回行った。ゴルフじゃないよ。春と秋にバーが開かれるのだ。フェアウェイ越しに輝く大阪湾を見ながら飲るハイボールやソルティドッグなんて、そりゃ、何とも…。
2/ 11th, 2010 | Author: Ken |
Toy Box … Sports Figure -1
こんな人形を何故持っているかって? 今は昔ロンドンでウィンドウショッピングなんぞしていたら、カッコいいスポーツ人形があるじゃないか。古び具合といい、そのスタイルといい、ディスプレイに何とも収まっている。ところが値段を聞いたらトンデモない金額を言う。アンティークじゃないジャンクのくせして…。とてもそんなお金は出せないし悩んだ末に諦めた…。
帰国してからもあの人形が気になってしょうがない。目の前にチラツキ、買った方がよかったんじゃないかと。ヨシ!自分で作ってやれと決心した。早速材料を揃え、粘土細工なんて学生時代よりしたこともないが、まず古い雑誌や資料からデッサンしてポーズやウェアを決め作り始めた。そりゃ最初だから凝りますよ。ところがリアルに作れば作るほど、我が貧弱な造形力が問われ面白くない。
ウーン、何故なんだ?その時30年代のエスクアイヤー誌のルイス・フェローズのファッション・イラストが眼に留まった。決して高度な絵画技術で描いたのじゃない。だが、その雰囲気、気品、背景が素晴らしいのだ。
そうだ!リアリズムじゃないんだ。ヘタウマというより人形っぽく作ったらいいんじゃないか。基より腕は稚拙だから雰囲気だけ出そうと考えた。テーマはホワイトスポーツ。クリケット、テニス、ポロ。これで行こう。少し恥ずかしかったが展示会やお店のウィンドウに飾ってみた。まあこんなもんダロ。それからはあれもこれもと…。
1/ 26th, 2010 | Author: Ken |
TOYBOX…テディベア
カワイイーッ!そんな黄色い声を上げる歳でもなし、ましてぼくは男だ。なぜテディベアなんか持っているかというと、その昔新婚さん向けフアニチャーのカタログを制作した。キャラクターイメージをどうしようかと考えて、そうだ!テディベアのペアで行こう!
となった(まあそのへんの受け狙いなんだが)。ところが探してもイメージのものがないんだね。何か顔が気に食わなかったり形が違ったりと…。そうしたらアシスタントの女性(極めて優秀、センス抜群、いまはアンティークと手作りカーテンではなかなかの存在)が作ればいい!よし、作ろうとなった。材料を探し事務所で縫製し縫いぐるみが完成した(ぼくは横からアレコレ指図するだけ、目玉の位置とか太り具合を。ウルサい!黙っていて!はい)。
調べてみたらテディベアも奥が深い。ルーズベルト大統領の愛称にまつわる話とか、ドイツのマルガリーテ・シュタイフが1902年に作ったとか…。外国のアンティーク・ショップでとんでもない値段のをみたことがある。…何でこんなに煤けたものが…。世界中にファンが多いんだね。わが国にもいっぱいテディベア博物館もあることだし。撮影するために男の子にはぼくのネクタイの小剣でタイを作り、熊のタイピン、女の子にはエルメスのスカーフを撒いた。小ちゃなティーセットも用意して。結構可愛いでしょ。
★あの南しん坊さんがテディベアを頭に乗せ、靴べらを持って聖徳太子になった写真を見た事がある。彼の「歴史上の本人」という本は傑作中の傑作!仁王さんとか織田信長とか…それはもう!抱腹絶倒、涙が出てくる。
1/ 25th, 2010 | Author: Ken |
TOYBOX…マルタの鷹
「It’s heavy.What is it?」(重いな。これは何だ?)。「The stuff that dreams made of.」(夢がいっぱい詰まっているのさ)。
名作「マルタの鷹」の探偵サム・スペードの台詞だ。ハードボイルドには泣かせる台詞が多いね。まあ、大人の男のハーレクインみたいなもんだ。ダシール・ハメット原作、ジョン・ヒューストン監督、ハンフリー・ボガート主演「The Maltese Falcon」(1941)お話はマルタ島騎士団がスペイン皇帝に献上されたというお宝を巡って怪しげな男女と探偵の争奪戦だ。
前にメンズウェアの企画やデザインをしていたころ、背景をハードボイルドで行こうと決めた。マルタの鷹のパロディだ。じゃマルタの鷹はどうするんだ?そんなものハリウッドに行けばお土産で売っているかも知れないが、日本にあるわけがない。作るしかないだろう。
早速ヴィデオを見て、ン、マ、こんなものかと粘土細工で作り上げた。布団乾燥機で乾かし夜中の庭で金色のスプレーを吹いた。翌日の撮影ではまだネバネバしていたね。後にハリウッドの土産物店で真っ黒なレプリカを見た。細部は違っていたけれど大きさも大体同じものだった。そしてミステリーの最高作 E.Aポー賞には鷹ではなくRaven(大烏)像が贈られるのだ。まあ、そんなのは貰える訳がないし、ミステリーが大好きだし、もっと読みたいから、いまも事務所の棚に鎮座ましましている。