2/ 25th, 2010 | Author: Ken |
Decoy
デコイ。この奇妙な響きは何だ? 狩猟に使う囮のことだ。鴨が仲間がいると思って降りてくる。そこを狙うのだ。狡いやり方だね。僕は猟なんてやらないが、置物としてのデコイに凄く魅力を感じた。海外のスポーツ店に置いてあるのが本当に欲しかったね。電気スタンド、小物入れ、ハンガー、風見など野鳥のモチーフがいっぱいあるんだ。笑っちまうのもあった。大きな帽子みたいにデコイを頭に被り鴨を騙そうとするのなんか、その姿を想像するだけで滑稽感が伴う。
そして、1970~80年代に日本にアウトドア・ブームが巻き起こった。ウィルダネス、ワイルドなんて言葉が流行り、LL BeanやEddie Bauer、Red wingに憧れたもんだ。それと一緒にデコイも輸入されたり自作のキットなんかもあった。どうせならヨシ!作ってやろうじゃないの!バルサなら簡単なのだが近所で改築工事をしていたので柱の切れ端をもらって来た。
ノコギリ、鉋、鑿、彫刻刀、サンドペーパー…。形はできた。しかし問題がある。目玉はどうするんだ?アクリル板を熱で曲げたが小さな凸レンズが作れない。そうだ!知り合いに剥製師がいた。いそいそと出かけたら、なんだ、ガラス玉の半球をくれた。「いいかい、エナメルを一滴垂らして眼の色は小さな布を入れるんだ」。「ふーん、ナルホド」。
ペイントが楽しいんだね。最初はカナダグース、これは太り過ぎだ。次はダック。まあ、こんなもんダロ。次はグースの飛び立つスタイルだ。だんだん構想が膨らみ、それが大きくなり過ぎて止めてしまった。いまも玄関の隅に転がっている。