11/ 7th, 2009 | Author: Ken |
Jazzが先生だった。
ヰタ・ムジクアリス:生意気ガキンチョの頃、ラジオでプレス
深夜にジャズ・メッセンジャーズの「モーニン」を聞いた。 これだ!これだよ!これ
高校生1年生だった。級友が「モダンジャズ行けへんか?アート・ブレイキーや」「芸術壊し屋ってなんや?」「とにかく行こ!」大阪フェスティバルホール2階奥、400円だった。凄い!世の中にこんな音楽があったのか!ドラムが皮膚に突き刺さり、ベースは腸(ガッツ)を振動させ、テナーは心臓を揉み、トランペットは耳朶を揺がす。そして、ピアノは血管を駆け巡るのだ。アドレナリンが高まり、恍惚状態になった。凄い!凄い!これがモダンジャズか!「モーニン ウイズ ヘイゼル」ヘイゼル・スコットとともに呻く…。それからジャズ喫茶通いが始まった。場所は南の「バンビ」。当時LPレコードの輸入盤は2000円以上もしたし、アルバイトは日給400円だった。それでも無理をして1枚づつ買っていった。中身よりジャケットに魅せられていたのかも知れぬ。ブルーノート、特にJ・マクリーンが好きだった。あの引きつったようなアルトソロ。ミンガスのピテカントロプスも聞いていたし、M・デヴィスやK・ドーハムとのセッションも知っていた。でも「Let free-dom ring」には参ったね。中身も最高だしジャケットのデザインが…。それがリード・マイルスのデザインなんだ。
「いままでとまったく違う!これが、私たちの求めていたものだ!」ブルーノート・レコードの創始者、A・ライオンはこんな感嘆の言葉をリード・マイルスに贈ったそうだ。思い出すままにジャケット・デザインでカッコ良かったものを揚げれば、H・シルバーの「ブローイン・ブルース・アウェイ」、M・ローチ「WE INSIST」、B・エヴァンス「アンダーカレント」L・モーガン「SIDEWINDER」S・ロリンズ「Plus 4」「ヴィレッジバンガード」「橋」、MJQ「ヨーロピアン・コンサート」、M・デヴィス「ヴィチェズブリュー」…。ああ、切りがない…。あのワクワクドキドキしながら買ったジャケット。いまはもうCDになりi POdになりYou Tubeだもんね。夢があまりにも即物的だね。「真夏の夜のジャズ」を撮ったバート・スターンの映像、数多くのジャズ写真の名手たち。
そしてミスター・リード・マイルス。みんなみんな先生だった。