12/ 22nd, 2009 | Author: Ken |
Kind of Blue
藍は藍より出て藍よりも青し、この藍染めのパンツ、ジーンズ誕生130年。カルフォルニアの金鉱堀の衣服がいまや世界を席巻した。
リーバイスだけで35億本以上生産したと言うから、その総数たるや恐るべし。歴史云々は今更なのでお調べいただくとして、かって国民服、人民服などのユニフォームがあったが、ジーンズは地球服だろう。何と言ってもジーンズは衣服の概念を変えたことが一番大きいのではないだろうか。それは「新品より着古した自然体が良い」という概念の転換だ。最近は最初からバイオ・ストーンワッシュなどでエイジング仕上げをしたのが高額で販売されている。これってどうなんだろ?ゴアゴアの木綿を繰り返し洗濯し、色が褪せ、洗い晒し、履き慣れ古びた方が美しい。破れや傷み具合が独特のテイストとなり自分の鋳型を作って行くのだ。あの洗い上げたジーンズに脚を通す感触、これは快感だ。ブルージーンズ、「愛着」という言葉に一番相応しい衣服だ…。
いまやジーンズはあまりにも当たり前の衣服になったが、時代の流れとは面白いものだ。かってジーンズで一流のホテルには入れなかった。こんなエピソードがある。私の姪が関西のお嬢様学校?と言われている神戸女学院に通っていた。ジーンズをみんなが愛用しだした。アメリカ人の女性教師が怒って「あなたたちはレディでしょう!それがジーンズなど野蛮な物を履いてくるなんて!」彼女は怒ってアメリカに帰ってしまった。頑なWASP精神の持ち主だったのだろう。隔世の感がありますね。
…しかしジーンズを作っているのは今じゃアメリカではない。アジア地域の少女たちが縫製しているのだ。その賃金たるや…。地球規模の格差なんですね。そのドキュメンタリーを見ていると複雑な気分になった。ジーパン・Gパン(三島由紀夫の「雨のなかの噴水」だったかジンパンと書いているね)アメ横や大阪の鶴橋に軍の放出品(ステンシルの文字がプリントされていた)、GIの古着を買いに行ったり、割れ物のクッションとして(浮世絵も茶碗なんかのクッションとして大量に海外に行ったそうだ)ジーンズが輸入?されたりしたそんな時代もあった。ブルージーンズ。Levi’s 501、クラシックの名こそ相応しい永遠のアイテムである。